Kangaeruhito HTML Mail Magazine 243
 営業部Tさんとの会話

6月29日(金)
「どうなりますかね。内田光子さんにインタビューしたときの特集と較べると、ちょっと地味かな」
「吉田さんと堀江さんの対談は中身が濃いですよ。吉田さんのお宅の庭、緑がきれいだったな。快晴だったし」
「鎌倉ですよね」
「そう、鎌倉。で吉田さんのETV特集の放送は7月1日でしょ? 『考える人』は3日後の発売だから、番組を見た人が面白いと思えば、『考える人』でちゃんと読みたいと思うんじゃないかな」
「そういう風につながってくれればいいんですけどね。とにかく様子を見ましょう」

7月5日(木)
「すごいですよ数字。この前のクラシック特集の2倍近い。創刊号の数字も上回ってます」
「え? ほんと? だって天気悪かったから、発売日の数字は駄目だろうなあって思ってたんだけど」
「だから(苦笑)、天気は関係ないんですよ。売れるときは売れるんです」
「……」
「しかし何でしょうね? どうしてこんなに売れるのか」
「ETV特集じゃないのかな」
「ですかね? しかしこれほどまで違うかな? 渋谷の書店なんか初日に50冊の追加注文が入ってましたよ」
「へえ、すごいね」
「すごいです」

7月10日(火)
「だいぶ数字、落ち着いてきました」
「あ、そう? じゃあ増刷はない?」
「へへへ」

7月13日(金)
「アマゾンがね、順位が下がらないんだよね」
「あ、そうですか?」
「アマゾンの雑誌の文芸・総合部門で、ずっと4位とか5位のところにいるの」
「そうでしたか」
「文春本誌とか『ダ・ヴィンチ』とか『yom yom』とか、そういう雑誌と互角」
「……売れている絶対数がどれぐらいなのか、ですけどね」
「発行部数が2万1500部でしょ。地方の小さな書店には行き渡らない場合もあるだろうから、そういう地域の読者が買ってくれているのかもしれないと思うんだ。定期購読には踏み切れなくて、特集の内容次第で買ってくださるような読者」
「……」
「『考える人』みたいなロングテール雑誌はインターネット書店も心強い味方ですよ」
「もちろんそうですけどね」
「ちょっと調べておいてくださいよ」
「わかりました」

7月18日(水)
「2年前のクラシック音楽特集と数字が並んできましたよ」
「そうか……」
「いやいや、がっかりすることないですよ(笑)。あの号は完売したんだから」
「そうだけどさ」
「私の推論では、この前のクラシック音楽特集を買ってくださった読者が、最初の1週間でワッと一気に集中したんじゃないかって思うんですよ」
「ふーん」
「ETV特集もあったかもしれないけど、この数字の落ち着き方をみると、テレビの影響というよりは、前回買ってくださった読者が待っていて、発売直後に書店に駆けつけてくれた、と思ったほうがわかりやすいんじゃないかなと」
「……なるほど」
「いい特集ならば、2度目の読者につながるっていうことです」
「マンネリになったらおしまいだけどね」
「もちろんです(笑)。読者はちゃんと見てますから」
「あ、そう言えばさ、まだアマゾン、上位にいるんだよね」
「あ、そうでした。まだご報告できる材料が揃っていないんですけど、今度また」
「よろしくお願いします」
「いや、でもホントによかったですね」
「よかったよかった、ありがとう」
「じゃまた」
「どうも」

「考える人」編集長 松家仁之(まついえまさし)
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