100人100冊は、全体をジャンルで7つのパートに分け、また分野を超えた5つの特別枠を設けました。まずは100人の科学者と、その執筆者をずらり、並べてみましょう。

Part1 うつくしい解を求めて 【数学】
岡潔(数学者。以下同)/小平邦彦/関孝和/遠山啓/吉田光由/高木貞治/小倉金之助/彌永昌吉/三上義夫(数学史家)

Part2 空を見上げ、地を見つめる 【天文・地球科学】
猿橋勝子(地球科学者)/野尻抱影(天文学者、星の民俗学者)/志筑忠雄(天文学者)/田中舘愛橘(地球物理学者)/志賀重昂(地理学者)/一戸直蔵(天文学者)/岡田武松(気象学者)/藤原咲平(気象学者)/田中阿歌麿(湖沼学者)/三澤勝衛(地理学者・天文学者)/辻村太郎(地理学者)/石田五郎(天文学者)

Part3 目には見えぬものを見えるように 【物理、化学】
寺田寅彦(物理学者。以下同)/仁科芳雄/湯川秀樹/武谷三男/伏見康治/長岡半太郎/本多光太郎/湯浅年子/石原純/坂田昌一/福井謙一(化学者)/川本幸民(蘭学者)

Part4 観察し、記録し、分類する 【博物学、生物学ほか】
牧野富太郎(植物学者)/小泉丹(寄生虫学者)/平賀源内(本草学者)/丘浅次郎(動物学者・進化論者)/山階芳麿(鳥類学者)/木村蒹葭堂(博物学者)/宇田川榕菴(医師、蘭学者)/西村三郎(生物地理学者)/井尻正二(古生物学者)/伊谷純一郎(霊長類学者)/内田亨(動物学者)/中西悟堂(鳥類学者)/岩田久二雄(昆虫学者)/白井光太郎(植物学者)/中尾佐助(植物学者)

Part5 人間のいとなみと歴史に光を当てる 【分子生物学、農学、人類学ほか】
江上不二夫(生化学者)/鳥居龍蔵(人類学者、考古学者)/金関丈夫(人類学者、解剖学者)/木村資生(遺伝学者)/渡辺格(分子生物学者)/木原均(遺伝学者)/八杉龍一(生物学者)/坂口謹一郎(農芸化学者)/本多静六(林学者)/浜田青陵(考古学者)/五来重(民俗学者)

Part6 こころとからだの謎に迫る 【医学、精神医学、心理学】
小川鼎三(医史学者、脳解剖学者)/三木成夫(解剖学者、発生学者)/松本元(生物物理学者)/内村祐之 (精神科医)/神谷美恵子(精神科医)/富士川游(医師、医学史家)/小川正子(医学者)/森鴎外(医師)/杉田玄白(蘭方医)/吉田富三(病理学者)/時実利彦(脳生理学者)/呉秀三(精神科医)/森田正馬(精神科医)/西丸四方(精神病理学者)/小此木啓吾(精神医学者)

Part7 自然哲学からロボットまで 【工学、科学哲学、科学史】
三浦梅園(自然哲学者)/廣重徹(科学史家)/糸川英夫(工学者)/三枝博音(科学哲学者)/下村寅太郎(科学哲学者)/加藤一郎(ロボット学者)/高木仁三郎(物理学者、科学評論家)

特別枠:この人ならではの力
(1)【文章にもたくらみを】
 朝永振一郎(物理学者)/矢野健太郎(数学者)/ロゲルギスト(物理学同人)
(2)【組織する天才】
 今西錦司(動物学者)/大河内正敏(物理学者)/渕一博(計算機科学者)/北里柴三郎(細菌学者)
(3)【暮らしを変えた発明と発見】
 池田菊苗(化学者)/八木秀次(工学者)/桜田一郎(化学者)/高峰譲吉(応用化学者)
(4)【豪快にして変人】
井上円了(仏教哲学者)/福岡正信(自然農法家)/津田仙(農学者)/南方熊楠(生物学者、民俗学者)
(5)【観察するひと、忍耐のひと】
野口英世(細菌学者)/ 坂上昭一(昆虫学者)/中谷宇吉郎(物理学者)/河合隼雄(心理学者)

作家、評論家、科学者などさまざまな分野の方が執筆してくださいました。

いしいしんじ、石川直樹、池内了、池谷裕二、池田清彦、今森光彦、円城塔、大井玄、大竹昭子、岡崎武志、倉持卓司、黒川創、小泉武夫、最相葉月、齋藤孝、斎藤環、佐々木閑、瀬名秀明、芹沢一也、竹内薫、竹内久美子、武田徹、竹中朗、立川昭二、鶴見太郎、傳田光洋、長山靖生、中村桂子、梨木香歩、西成活裕、福岡伸一、藤田紘一郎、藤原正彦、的川泰宣、村上陽一郎、村田喜代子、村田智子、茂木健一郎、山田慶兒、山本貴光、養老孟司、渡辺政隆。

この科学者を、あの書き手が……と、ときには意外な組み合わせもあるかもしれません。ほんとうに好きな科学者とこの一冊!と思う作品の読みどころを紹介しています。たとえば、こんな具合に――。

 岡潔『春宵十話』
「岡は『頭で学問をするものだという一般の観念に対して、私は本当は情緒が中心になっているといいたい』と書く。この、情緒に関する見解こそが今日へと通じる岡潔の独創的着眼であり、また私たちが大いに反省すべきポイントだろう」(茂木健一郎)

寺田寅彦『寺田寅彦』
「『科学の目的は実に化物を捜し出す事なのである』(「化物の進化」)や『顕微鏡で花の構造を子細に点検すれば、花の美しさが消滅するという考えは途方もない偏見である。花の美しさはかえってそのために深められるばかりである』(「科学と文学」)などという文章にも、科学と浪漫を同一の地平のものとして生きた彼の姿勢が表れている」(梨木香歩)

興味をかき立ててやまない科学者たちと、エッセイや評伝の魅力――。ひきつづき次回も、「100人100冊」をご紹介します。