京都郊外の里山に暮らす岡西克明さんと松子さんご夫妻。ふたりの食生活を中心に、その暮らしぶりを紹介するブログが2005年5月に始まった「ばーさんがじーさんに作る食卓」です。日に一万二千アクセスという人気ブログで、『いつも、ふたりで』というタイトルの本にもまとめられています。

料理担当はcincoこと松子さん、撮影・文章担当がsesentaこと克明さん。お二人とも73歳の元同級生です。岡西さんは70歳で引退されるまで、大阪でデザイナーとして活躍されていました。このブログのきっかけは、岡西さんが体調を崩され、医師から食事制限を言い渡されたこと。食品成分表をにらみながら、それでもおいしい料理をと松子さんは日々奮闘し、その記録のために、克明さんが料理の写真を撮り始めたのだそうです。

やがて克明さんが健康をとりもどしたあとも、食生活に気を配ることと、撮影の習慣は残り、であれば、簡単にできるようになったブログというものを始めてみようじゃないか、ということになりました。同年輩の人たちに読んでもらえればというつもりで「ばーさんがじーさんに」と名づけたところ、意外にも若い人たちに大人気のブログに。たしかに、ブログを見るひとたちは、岡西さんたちの同世代よりも、若い人たちのほうがずっと多かったのです。

ご近所の方たちと丁寧につきあいながら日々を過ごしていらした岡西さん夫妻の世界は、ブログによって思いがけない広がりをもつようになりました。子どもたちと同世代の若い人たち、そして国内だけでなく世界のあちこちに暮らす人たちが、ブログを通じて岡西さん夫妻と親しいつながりをもっています。「こんな出会いがあるなんて、宝くじに当たるよりすごい」という松子さん。10年前にはありえなかったブログのある暮らしを、お二人のインタビューでごらんください。