太っちょなドリトル先生ですが、ふだんは何を食べているのでしょう? 今回は、先生の大好きな食べ物についてご紹介したいと思います。
 先生は、豚のガブガブを可愛がる一方で、肉付きあばら骨やポークパイをいつも美味しそうに頬張ります。福岡さんが指摘されているようにそれこそが先生のフェアネスなのでしょう。あらゆる生物に対する平等の意識が根底にある、そんなフェアネスです。
 物語の舞台となったイギリスでは、「ドリトル先生」といえば原作本よりも、映画のほうが有名です。その映画『ドリトル先生不思議な旅』(1967年。レックス・ハリソン主演のミュージカル映画)では、なんとドリトル先生は自らを「菜食主義者だ」と話しています。なぜそういう設定になったのか。スリムで背の高いレックス・ハリソンのルックスのためなのか。動物を可愛がるドリトル先生が肉を食べる事は映画では不都合だったのか。映画と原作の違いというのは、おもしろいものです。
 先生の好物として、スタビンズくんはハッキリと、本文の中で「豚の肉つきあばら骨、砂糖ダイコンのうすぎり、油であげたパン、小エビ、糖蜜入りのパイ」を挙げ、先生自身もメルトン・モーブレー・ポークパイを褒めたたえています。地名を冠した伝統料理のこのパイを扱っているのは、いまやロンドンでは郊外北部のグローサリーショップ一軒のみらしい。店員さんに聞くと、上質な豚肉をふんだんに使うため、他のパイよりも色がグレーがかっているそう。
 それにしても、驚きました。写真撮影のために、食事のたびに肉やパイを頼んだのですが、そのカロリーの高そうなことといったら!
 闘牛や宇宙飛行のみならず、泥棒、刑務所入り、悪者との格闘……と、先生はいつも元気いっぱいです。年齢も、予想していたよりお若い印象。その活動を支えていたのが、この高カロリー食なのかもしれません。ただし、ご注意あれ。先生でさえ消費はしきれていなかったようですからね。(穂)