雨の長崎。雨の中、風になびくように、それでも飛び交い続ける蝶たちを眺めながら。


 僭越ながら時々、写真の審査や講評をさせて頂く機会がある。毎度痛感するのは、批判的な言葉を探す方が楽であり、褒める言葉を見出す方が困難だ、ということだ。写真だけではなく、様々な混沌と対峙するときもそうだ。誰かの至らないところを責め立てるより、その社会が抱える問題を和らげていくために行動する方がよほど難しい。
 この仕事をしていると時々、毒気のある言葉に頼りたくなることがある。より注意を引き、人の感情を波立たせ、物事の白黒がはっきりすればどこか安心したような気持になる。そんな折にいつも、この世を去っていった大切な人たちの顔を浮かべる。
 心のひだに、言葉の毒気が容赦なく注がれる。優しい人たちはまともにそれを吸収し、自分を傷つけ、命さえ絶つことがある。それを錆びない記憶として刻む限り、私は毒に頼らない道を選びたいと思う。
 優しい言葉と過激な言葉、本当の意味で困難に立ち向かっているのはどちらだろう。そんな模索は続いていく。

沖縄、高江近くに広がる海。人と人、人と自然の“分断”を乗り越えられるだろうか。