「いいぞ、応援!」――秋号の特集です。応援することはいいよ、と言いながら、同時に「応援」そのものにも「いいぞ!」とエールを送る。そういう気持ちでタイトルをつけました。人はどうして応援をするのでしょう? どういうときに声援を送りたくなるのでしょう? 「がんばれ」という命令形でなく、「フレー」という掛け声でもなく、真に相手の背中を押す実のある応援の仕方について考えてみました。

最初に登場するのは、糸井重里さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」が南青山で運営する「TOBICHI②」という場です。不定期で様々なイベントが開かれる小さなスペースながら、展示をする人と訪れる人、そして運営する人たちを「生の体験」でつなぐ〝パワースポット〟です。糸井さんはなぜこの場を運営しているのか、その深謀遠慮を記事で読んでください。

 

スペシャルインタビューは、オリンピックのキャスターを務めながら〝応援人〟の役もこなす松岡修造さん。テレビやCMで見せる賑やかな顔と違って、真剣に応援を考える大人の顔をみせてくださいました。応援大好き、という松岡さんがいちばん苦慮する応援とは、いったい何なのでしょうか?

次に登場するのが、世にも珍しいプロの応援団である「我武者羅應援團」。リオ五輪で銀メダルを獲得したレスリング女子日本代表・吉田沙保里選手の壮行会で堂々と応援する姿をご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。我武者羅應援團は、とにかく熱い! 彼らの演舞を石原たきびさんがルポします。

 

そして、一見「応援」とは結びつかないけれど、実は立派な応援と編集部が考えたのが「ゴチメシ」です。北海道・帯広市にある「たち食い処 結(ゆい)」には、客が店に置いていった代金で、後から来た客が無料で食べられる仕組みがあります。それが「飯をご馳走する」から発想した造語の「ゴチメシ」。その背景には、ふるさとを励ましたいという店主の気持ちがありました。

特集の締めくくりは、マイクロファイナンス。「お金が無いことによって人生の可能性が制限される絶望感や悲しみを少しでも和らげたい」。そう考えた慎泰俊(しんてじゅん)さんは、途上国の貧困層向けの小口金融サービスを起業しました。少額融資という名の応援です。

以上、ほんのさわりだけです。ぜひ、本誌でいろいろな応援の形に触れてください。足を引っ張り合うのでなく、励まし合うことができれば、世の中もう少し生きやすくなると信じて作った特集です。