絵本編集者、末盛千枝子さんのインタビュー取材のために岩手県・八幡平市にあるご自宅を訪れたのは2月中旬のこと。盛岡から電車で約40分、広々とした田畑が真っ白な雪に覆われていて、朝出発した東京とはまるで別世界です。

ご自宅の居間から岩手山を望むことができます。雪をかぶった岩手山の美しい姿に、カメラマンと思わず歓声を挙げると、「この時期、こんなに晴れることは滅多にないのよ。岩手山がこんなにくっきり見えるなんて、あなたたちはラッキーね」と末盛さん。雪が音を吸収するせいか、しんと静かな空間の中、末盛さんが幼少時代を過ごした盛岡での思い出を伺いました。冬に下駄スケートを履いて街中をすべったこと、夏は北上川で水遊びをしたこと……。雄大な自然を窓の外に見ながらそんなお話を伺っていると、それぞれの光景が目に浮かんでくるようでした。

もともとは末盛さんがご両親のために建てたという家には、彫刻家であるお父様の舟越保武さんの作品が飾られています。中には小学生の頃の末盛さんをモデルにした胸像もありました。過去から現在にわたる、家族のさまざまな思い出に満ちた家の中には、温かく居心地のいい空気が流れていました。

2階にある末盛さんの仕事場も少しだけ見せていただきました。世界中の絵本が並ぶ書棚。
国内外の優れた絵本の出版を、末盛さんはずっと続けていらっしゃいます。

そして昨年の震災直後、被災地の子どもたちに全国から届けられた絵本を贈る活動「3・11絵本プロジェクトいわて」を立ち上げました。「絵本には、人を幸せにする力がある」という信念のもとに始まったこのプロジェクトは、今後も続いていく予定です。

3・11絵本プロジェクトいわて
http://www.ehonproject.org/iwate/index.html