「時間でものをはかったり、体験や記憶を時間に置きかえると、僕はだめだと思うんです。それよりも、むしろ何を何回やったかという回数のほうが大事なんです。(中略)僕は同じ作品を何度も反復するんですが、それは時間じゃなく回数なんです」
 神戸市の横尾忠則現代美術館での「ヨコオ・マニアリスムvol.1」にあわせて昨年秋に開催された横尾忠則さん・細野晴臣さん・糸井重里さんの鼎談の中で飛び出した横尾さんの発言です(秋号掲載の前編につづいて、冬号では豪華鼎談の後編をお届けしています)。

横尾忠則さん(撮影:吉田亮人)


 先の横尾さんの発言を受けて、糸井さんはこう返しました。
「格好いいな、ロックンロールじゃないですか! つまり”Go Johnny, go go”って何回言うかでしょう。『同じことなんだから一回でいいじゃないですか』って言われたら、ロックじゃなくなりますよね。あれは繰り返しですよ」

糸井重里さん(撮影:吉田亮人)


 音楽家の細野さんは言い添えます。「リピート、リフレインは大事です」。

細野晴臣さん(撮影:吉田亮人)


 そこから話は、繰り返すといえば南無阿弥陀仏、チベットの摩尼(マニ)車、お百度参り、輪廻転生……と、巨匠3人の話は自由奔放に広がっていきました。さらには、他人の死と自分の死、「さらけ出すこと」と創作の関係に話はおよび、オリジナルなものを創りつづけてきた人でなければ口に出来ない「軽やかさの意味」が最後に明かされます。粋な大人が軽やかに語り合った人生の深淵。冬号記事でのぞいてみてください。

撮影:吉田亮人