仙台で作家活動を続ける伊坂幸太郎さん。掲載したポートレイト写真は、仙台市内を横切る一級河川、広瀬川の川岸で撮影しました。

伊坂さんは18歳の時に仙台に移り住み、それ以来ずっとこの街で暮しています。今回は、人生の半分以上を過ごし、しばしば小説の舞台にもなった仙台について、ゆっくりお話を伺うせっかくの機会。「撮影は街の中でしたいのですが、どこかいい場所はありますか」とご相談したところ、挙げてくださったのが、河原の遊歩道でした。

写真を見ると、ここはほんとうに街の中?と思うくらいの緑ですが、この場所の50m手前は住宅街。仙台駅からも2キロ弱しか離れていません。伊坂さんは、この道のすぐ側に住んでいたことがあるそうです。しょっちゅうここを散歩して、時にはベンチで原稿を書いたりもしたとか。「歩きながらひらめくことが多い」という伊坂さんにとって、ひとつの仕事場のような場所だったのかもしれません。

もう少し歩くと、川の向こうに、荒々しい崖がそそり立ちます。地層がくっきりと横に走り、その隙間から染み出た水が大きな氷柱になっています。(撮影を行った2月上旬は、最低気温が連日零度を下回る寒さでした)

伊坂さんは広瀬川を“野生の川”と呼びます。
「街を横切る広瀬川は、護岸されていなくて、水の流れが直に見える。“野生の川”という感じがします。街の外にも中にも、すぐそこに自然がある。そういうハイブリッドな感じも、ちょうどよくて僕は好きなんです」。

今回のインタビューでは、街のこと、そしてこの街を小説の舞台にする理由、さらには2月に出たエッセイ集『仙台ぐらし』の話題から震災のことについても、2時間にわたって語ってくださいました。

●撮影地は、広瀬川に架かる霊屋橋と愛宕大橋の間、米ヶ袋遊歩道や鹿落坂断層近辺です。
●エッセイ集『仙台ぐらし』は、仙台の出版社荒蝦夷(あらえみし)刊。