紙の雑誌としては最後の一冊です。考えたいこと、知らなければいけないこと、お伝えしたいことはまだまだたくさんあります。想いは尽きませんが、ぐっと堪えて、面を上げて、最終号を作りました。

 

 特集タイトルは「開講! 読みたい授業」です。人工知能の未来や、人間の脳と体、時間の使い方や人間ならではの遊び方、働き方……様々な重要なテーマを考えるにあたり、個人授業を受けるように読んでいただきたいと思い、こんな形を取りました。

 「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトを率いる新井紀子さん、前衛的な踊りを通して人間の来し方行く末を考える田中泯さん、ナマコとヒトに流れる時間は果たして同じなのかという疑問から「時間」というものを考え抜く本川達雄さん、プロフェッショナルレゴビルダーという前人未踏の道を飄々と見えて実は用意周到に進む三井淳平さん、脳と芸術の関係を解き明かす酒井邦嘉さん。それぞれの道で知力の限りを尽くすエキスパートたちが、大きなテーマをやさしい言葉で語り下ろしてくださいました。そして、授業1時間目、オープニングを飾るのはイラストレーターの信濃八太郎さん。ふとした思いつきからできたオリジナルの「木の本」の作り方を惜しげもなく披露してくださいました(そのうちのひとつを、4月4日から11日まで東京・表参道の山陽堂書店さんで開かれるイベントで見ていただくことができます)。

 

 含蓄と示唆に富む〝講師〟の方々のお話の中には、「出会えて良かった」と思える言葉が必ず見つかるはずです。知ること、考えることは確実に暮らしを豊かにします。この特集を入り口に、知の探索をさらに進めていただきたい。そんな気持ちを込めました。