夕暮れ、岩手の山々を望んで


 光の寿命はとても短い。特に朝日や夕日が大地を包みこむとき、光の様相は刻一刻と変わっていき、シャッターを切る度にファインダー越しに見える風景が変わっていく。カメラを手にすると自然と、光の方角を探す自分に気づく。写真を続けていてよかった、と思えることの一つだ。同じ瞬間が二度と訪れないことを、日常的にかみしめる。だからこそその一瞬一瞬を抱きしめるように生きることができる。

 空が見せる表情も同じだ。一色で塗られて見える日中の空も、太陽を背にする方が、空の青は鮮やかに見える。太陽と、自分と、その先に広がる世界。ふとその構図が、そっと見守り背中を押す大人と、子どもと、その先に続く未来の関係性に近いような気がした。

 そんなとりとめのないことを考えながら、心が優しく遊ぶ時間を日常の中にくれる。写真があってよかった。今日も、相棒カメラに感謝して。