すでに新聞報道でご承知かと存じますが、この春号をもって休刊となります。泣いても笑っても最後の号です。そこで、新学期、新生活のスタートに向け、本誌の原点ともいえる「考える」ことの大切さを選りすぐりの方々に語っていただきました。
 人工知能(AI)がやがて人間の知能を凌駕する「技術的特異点(シンギュラリティ)」を迎えると言われる中で、『コンピュータが仕事を奪う』で警鐘を鳴らした数学者の新井紀子さんには「『ダメなAI』にならないために」を、また『脳を創る読書』の言語脳科学者、酒井邦嘉さんにはAIが逆照射する人間の潜在的な創造力の講義をお願いしました。また、『ゾウの時間 ネズミの時間』『ウニはすごい バッタもすごい』の生物学者、本川達雄さんには、ヒトの時間を私たちが手放さないための心構えを、舞踊家の田中泯さんには「細胞の一個一個に生を与えたい」という哲学的な考察を加えていただきました。贅沢な授業が目白押しです。(編集長・河野通和)

(「波」2017年4月号掲載)