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鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』が評判となっている川上和人さんと、鳥好きのアイドルSKE48高柳明音さんの対談イベント「鳥類学者という蛮族がいた!——知られざるその生態、または鳥たちは誰についていくのか」。5月25日(木)におこなわれたこの対談のやりとりを6月14日(水)、21日(水)の二回に分けて配信します。

気鋭の鳥類学者・川上和人さんが鳥の魅力、違い、小笠原諸島の鳥類調査の実態を縦横無尽に語り、それに高柳明音さんが逐一ていねいなつっこみをいれる、そんな二人の丁々発止のやりとりが再現されています。
川上和人さんは『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』も、ものすごく面白かったのですが、現在大増刷中の『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』といい、この対談といい、すごく引き出しの多い方だな、と感じます。川上さんの語り口は実に魅力的で、話を聞いたあとだと、知っているはずの鳥もまったく違う生き物のように思えてきました。


以下、いつものように、先週の日記です。

6月5日(月)
山室信一氏の『アジアの思想史脈 空間思想学の試み』を読む。日清戦争以後、日本には中国をはじめアジアから多数の留学生がきたそうだが、その近代アジアの思想的な連鎖を描く。宮崎滔天、安重根、正岡子規、井上毅といった人々が思想的にゆるやかにつながっているように見えてくる。講演が元だが、結果的に大幅に加筆して、ほぼ書き下ろし。大変な力作だ。
この本、定年退職を機に刊行されたものらしい。
「定年退職の時を迎えてみると、『いま、やっとスタートラインに立った』というような気がしてきます。」
編集者の私もそう思うときが来るのだろうか。

6月6日(火)
早稲田演劇博物館にて「テレビの見る夢ー大テレビドラマ博覧会」(8月6日まで)を見る。大学では珍しい本格的なテレビドラマ史研究。岡室美奈子館長のテレビドラマへの愛情と熱意とオリジナルな視線がこもっている展示だった。「逃げ恥」「カルテット」「トットてれび」「あまちゃん」「カーネーション」といった近年の傑作を射程に入れるのみならず、宮藤官九郎さんテレビドラマ初執筆脚本の「コワイ童話『親ゆび姫』」の映像があったり、70年の佐々木守脚本、中山千夏主演の怪作「お荷物小荷物」の最終回を上映していたり(最終回にしか残ってないらしい)。

みんなぼんやり座って画面を見ている。ここでは、ドラマの歴史が編集されている。特に2011年以降のポスト震災ドラマでは、幽霊は決して怖ろしい存在ではなく家族を暖かく見守る存在だ、という指摘に納得させられた。
時間があわず行けなかったが、この日、早稲田小劇場どらま館では、岡室美奈子さん新訳、宮沢章夫演出で、『ゴドーを待ちながら』のワーク・イン・プログレス公演があったはず。岡室さん、どうやってこんなに仕事をこなしているのだろうか。
そのあと、会社の創立記念パーティへ顔を出す。新潮社、創立121年を迎える。

6月7日(水)
小耳にはさんだのだが、今年1月『しんせかい』で芥川賞を受賞した山下澄人さん、話題の昼ドラマ「やすらぎの郷」に役者として出演してるんだそうですね。ホームの職員の役。山下さんの担当編集者に聞いたら、脚本の倉本聰さんの富良野塾に山下さんがいたことから役者として声がかかったとか。
このドラマ、一話も逃さず見ているのに、今までまったく気がつかなかった……(ちゃんとホームページにも載ってました)。

6月8日(木)
下北沢「劇」小劇場にて、東京シェイクスピア・カンパニーの「恋のむだ骨」を観劇。東京シェイクスピア・カンパニー主宰のシェイクスピア研究家・江戸馨さんは、小説家・奥泉光さんのパートナーである。この「恋のむだ骨」の戯曲は、シェイクスピアのLove's Labour's Lost(「恋の骨折り損」などと訳される)を元にして10年前に奥泉さんが書いたもの。この劇団には「鏡の向こうのシェイクスピア・シリーズ」という、シェイクスピア劇を題材に、別の視点から描いたオリジナルのスピンオフ・シリーズがあって、「恋のむだ骨」もその一作だという。以前上演された「リヤの三人娘」「マクベス裁判」「無限遠点」(生きていたロミオとジュリエット)は、『メフィストフェレスの定理』として刊行されている。
作品には、初演時に世上を賑わしていた考古学者の遺物捏造事件が反映されているが、今回の再演にあたって領土問題に関して現代の世界情勢を反映させるべく筆を入れたそうだ。ナバール側とフランス側が領土の正当性を、遺物に求め、お互いに捏造しようとする場面など、現代にふさわしい喜劇だった。
とくにセリフを口語にしているわけでもないのに、江戸さんの演出によってシェイクスピアの世界が身近なものとなる。それぞれの人物が血肉化されているからこそ、状況がよりおかしみを帯びて見えてくるのだろう。

6月11日(日) 『1998年の宇多田ヒカル』の宇野維正さんのツイッターでの褒め方に刺激され、映画館で「昼顔」。上戸彩と斎藤工が再会するまでの、主人公の気持ちに寄り添った抑えた演出にぞくぞくする。昨日の舞台挨拶で「上戸さんが十字架を背負うことで、この作品は成り立っている」などと斎藤工にねぎらいの言葉をかけられ、上戸彩が号泣したそうだが、なぜそこまで泣いたかが理解できる、テレビでは見られない鬼気迫る演技だった。どこかで最優秀主演女優賞をとるといいなあ。
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