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村井さんの連載のなかでも抜群の人気を誇る本記事、また1位に返り咲き!
授賞作発表記者会見の様子をアップしたところ、選考委員の方々のコメントが興味深いと話題になりました。
鳥類学者と鳥好きアイドルの異色対談が公開されるやいなや、ファンのみならず、たくさんのアクセスが!
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雑誌「考える人」で好評だった「しつもん、考える人」の枠をwebでも新たに作りました。タイムリーな人物に「考える人」編集部自ら取材をし、記事をまとめて配信いたします。

リニューアル一回目の「しつもん」の相手は、スペインのタパス(小皿)文化を伝えるシェフのジョセップ・バラオナ・ビニェスさん。「小笠原伯爵邸」の開業にあたり総料理長だったビニェスさんは、2005年、新たに一日一組しか予約を受け付けない「わがままな」アトリエ「レ・ストゥディ(書斎、の意味)」を開きました。そんな彼にタパス文化の魅力、タパス文化とアジアの食文化の類似性について聞いてきました。

以下、いつものように、先週の日記です。

6月20日(火)
神楽坂la kaguにて、松浦寿輝さんと平野啓一郎さんの対談イベント「時代の転換期の『名誉と恍惚』」。松浦寿輝さんの長編小説『名誉と恍惚』について。長大な小説がはらむいくつものテーマを、次々と松浦さんにぶつける平野さんの質問力。ミステリータッチの小説でもあるので、まったくネタを割らずに、小説の核心をつくのが凄かった。

この二人の組み合わせ、公開対談でははじめてなのだが、ラジオでは既にある。NHKラジオ第一放送で松浦さんがパーソナリティの「ミュージック・イン・ブック〜音楽と文学の交差点」という番組があり、レギュラー化前に2012年末特別番組として放送された時のゲストが平野啓一郎さんだった。そして、2014年レギュラー化してから4回目のゲストも平野さん。

ゲストが毎週3曲ぐらい選んで、その曲をかけ、松浦さんと話す。月3回か4回放送があると、なんとなく小説家の音楽世界が見えてくる。平野さんの選曲は、シガー・ロス、マルタ・アルゲリッチの弾く「夜のガスパール」、マイルス・デイビスと幅広くて楽しかった。まさに、ロック、クラシック、ジャズと守備範囲の広い平野さんならではの選曲である。

それにしても、この番組ももう4年目。小説家の音楽の趣味がわかって面白い。ほかにない貴重なアーカイブである。過去の回も、もう一度どこかでまとめて聞けないだろうか。

6月21日(水)
最近名前をよく聞く、ブレイディみかこさんの『子どもたちの階級闘争』『いまモリッシーを聴くということ』の二冊を立て続けに読む。読む、というより、思わず読まされる吸引力の強い二冊。ブレイディみかこさんはイギリスの無料託児所で保育士をしているコラムニストで、ミクロの視点からマクロな政治状況を見る文章が力強い。

「思えば、日本で育ったわたしには、福祉社会というコンセプトがまったくわかっていなかったのだろう。人は能力に応じて生きていく(あるいは死んでいく)のが当然だと思っていた。この能力というのには、資金調達能力、勤勉さ、意識の高さ、精神的な強さ、人間性の良さ、やる気の有無などさまざまなものが含まれており、それらに恵まれていない人間は、取り残され、惨めな思いをしてもしかたがないと思っていた。(中略)
が、底辺託児所で出会った人々は、子どもも、大人も、そういう能力のあるなしにかかわらず生き、それでよしとして堂々と生かされていた。
わたしが最も衝撃を受けたのは、そのことだったのだと思う。
こんなことは正しいのだろうか。正しくないのだろうか。と最初は思った。が、そのうちにそんなことはどうでもよくなった。正しい、正しくない、ということよりも、別のことが気になり始めたからだ。」(『子どもたちの階級闘争』)

いまモリッシーを聴くということ』は、ザ・スミスとモリッシーのディスクガイドの体裁をとっているのに、音楽本とはいいにくい不思議な本。例えば、1926年に大逆罪で有罪を受け、23歳で獄中死した金子文子とモリッシーの歌詞が重ねられる。

 「モリッシーと金子文子は、絶望の底で苦笑しているところが似ているのだ。」(『いまモリッシーを聴くということ』)

<ブレイディみかこさんも、そうなのでしょう?>と、読んでいて著者に思わず語り掛けたくなる一文である。

6月22日(木)
「考える人」前編集長の河野通和さんが「ほぼ日」のサイトで「19歳の本棚」と題して、「19歳の人に読んでほしい30冊の本」を一日一冊ずつ紹介しはじめた(今日からはじまったので、このメルマガが出る29日には冊数が多くなっているはず)。
一冊目は村上春樹さんの『風の歌を聴け』。30分ぐらいで選んだと書いてあるが、河野さんの真剣さが伝わってくる選書だ。

6月23日(金)
新潮社主催・後援の第30回三島由紀夫賞山本周五郎賞、第43回川端康成文学賞の贈呈式を都内のホテルで。私はなるべく、今年から川端康成文学賞の選考委員となりスピーチをする、荒川洋治さんの近くにいた。荒川さん、高校生のとき、荒川さんの郷里を訪れた川端康成にサインをもらったことがあるのだとのこと。
三島賞を受賞された宮内悠介さんの奥様が、昔、思潮社で詩集を出した時に担当編集者だったそうで驚かれていた。
 
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