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堂々の第1位!音楽に対して熱い想いはギタープレイにも現れているRENO。バンドの解散の際に読んだ一冊をご紹介。ここにギタリストの原点が。
テレビ番組「ハク学の壁」で、「ムショ」の語源が話題になったことから、ランキング急上昇! 「刑務所」の省略じゃなかったの!?
記事自体は昨夏のものですが、愛犬との別れという普遍的なテーマだからか、時折このように多くの方に読んで頂いています。
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9月11日(月)
星野源さんもはまっているというネットフリックスのドラマ「マスター・オブ・ゼロ」第2シーズンを完走。インド系アメリカ人のコメディアンのアジズ・アンサリのコメディ・ドラマ。昨年見た第1シーズンは、SNS世代のマイノリティの未婚男性の生活をリアルに描いて面白かったが、第2シーズンの全10話のほうがさらにいいと聞いていた。

評判通りすごかった。物語の通奏低音は、シンプルでロマンチックな恋愛ドラマなのだが、それを伝えるのに、全編モノクロで通した回があったり、ウディ・アレンの「ニューヨーク、アイ・ラブ・ユー」へ目くばせした回があったり、五分間無音でタクシー内で打ちひしがれる主人公を撮るショットをはさんだり、とやることなすこと撮り方が実験的かつチャーミングなのだ。

SNSやスマートフォンが、恋愛ドラマの切ないシチュエーションを奪ったなどと言われるが、この時代ならではの新しい「切なさ」も当然また生まれる。

9月12日(火)
新世代のジャーナリストとして記事を楽しみにしている、バズフィードジャパン記者・石戸諭さんにお目にかかる。個にこだわってこそ、普遍が垣間見える、という信念のある記者だと思う。

石戸諭さんの初の単著『リスクと生きる、死者と生きる』については、石戸さんがツイッターで記した言葉が内実をよく示している。

「悲しみにくれる被災者」「原発事故で苦しむ福島」を描いた本ではありません。「その人」たちの固有の体験、リスクや亡くなった人たちとどう向き合って生活してきたかを集めた一冊です。

石戸さんは、被災地の取材をしていて、書いている記事が「私にはどうしても主語が大きすぎるように聞こえてしまう」と感じていたらしい。速報が重要視されがちなネットニュースの世界で、ネットだからこそスパンの長い記事を書きたい、「何年も前に書かれたものなのに、読む人の心に新しさを残す文章」を書きたい、という石戸さんの姿勢と挑戦を応援したい。ウェブの特質についての話から、お互い大好きな高村薫さん、伊坂幸太郎さんの話まで楽しい時間を過ごした。

下北沢B&Bで9月24日(日)19時から、石戸諭さんと「考える人」編集長だった河野通和さんの「ネット時代に読むべきノンフィクション」という対談イベントがあるそうだ。

9月13日(水)
先週ミュージックステーションで見た小沢健二SEKAI NO OWARIのコラボのことが頭から離れない。

フクロウの声が聞こえる」の演奏も音に厚みがあってよかったが、頭にこびりついているのは、このコラボ実現の経緯である。小沢健二と「今夜はブギー・バック」で共演したスチャダラパーBose。その妻のファンタジスタさくらだが、SEKAI NO OWARIのメンバーのうちの三人と幼馴染であり、そうした縁から二年前にニューヨークでプライベートのつきあいがはじまったのだとのこと。

この話が気になって仕方ないのは、メンバーのFukaseNakajinSaoriとファンタジスタさくらだ(元あやまんJAPAN)は同じ小学校出身だそうなのだが(Saoriは一学年下、Fukaseとさくらだは一番仲のいい異性だったらしい)、もっと距離が近すぎて、ファンタジスタさくらだもバンドに加入していたりしたら、Boseとの結婚はなかったかもしれない。

逆に、距離が遠くなりすぎて、もう友人ではなくなっていたら、ニューヨークを訪れた幼馴染たちに小沢健二の連絡先を教えることはなかったろう。お互い、友人として適度な距離を保ちつつ、それぞれの道を歩んでいたからこそ、この縁が生まれたというのは、なんという偶然=奇跡なのだろう。でも、こういう偶然=奇跡って、意外と身の回りにないだろうか。

誰かが触媒となってくれて、縁が生まれたり、意図せぬまま、自分がいつの間にか誰かと誰かの触媒になっていたり……。歌詞にもある「渦を巻く宇宙の力」を人生に感じる瞬間である。

9月14日(木)
小林秀雄が戦中参加し、『文學界』に掲載された有名な評論家13人の座談会「近代の超克」の原文が急に必要となる。

すごく有名なわりに、この座談会、全集などには収録されず、冨山房百科文庫でしか読めないのですね。私の探し方が悪かっただけかもしれないが、社内の資料室で見つからず、もしやと思って「新潮」編集部のTくんに電話したら、案の定、「文學界」の初出の紙面をpdfファイルにして持ってた。彼はなんでも持ってるな。

9月15日(金)
社内の健康診断の最終日。最終日の正午近く、受付が終わる寸前に毎年受ける。こんな時間に健康診断を受けるのは大体いつも同じメンバー。そして、再検査にひっかかって会うのも、これもいつも大体同じメンバーだ。あまり親しくない同僚だと、お互い妙な会釈をする。一年に一度の口に出さない秘密の関係である。
 
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