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大塚ひかりさんと中村うさぎさんの特別公開対談「平家は滅亡していない!? 驚きの『女系図』」を配信しました。

胤(たね)よりも、腹(はら)が大事だった——母親が誰かに注目した「女系図(おんなけいず)」でたどる日本史は、驚きの発見に満ちています。

大塚ひかり氏の新刊『女系図でみる驚きの日本史』は、著者が作成した女系図や図表50点以上を収録。滅亡したといわれる平家が、実は今上天皇にまで血筋を繋げている事実や、京都がなぜ都に選ばれたのか、あるいは源頼朝はなぜ義経を殺さねばならなかったのか、などなど、これまで見落とされていた日本史の「新事実」を浮き彫りにしています。

この本をテーマに、新宿2丁目の“文ゲイ”バー「A Day In The Life」にて行われた、驚きと笑いに包まれた対談の様子をぜひお楽しみください。

11月13日(月)
カリフォルニア在住の日本文学研究者テッド・ファウラーさんにはじめて会う。

サイデンステッカー氏のもとで日本文学を学び、当初は葛西善蔵をはじめとする私小説の研究をしていたが、次第にアンダーグラウンドの世界にのめり込み、山谷のドヤ街に住み込んで日雇いをしながら、『山谷ブルース』という力作を書いたという方である(この本はエドワード・ファウラー名義)。

毎年、秋は数ヶ月日本に滞在し、山谷や釜ヶ崎、留学生だった50年前にお世話になった久留米や秋田にもたびたび顔を出しているとか。当然のことながら、東京の歴史には詳しく、話を聞いていると普段歩いている東京の土地に江戸や明治の歴史が透けて思えてくる。東京の深部に触れている気持ちがした。

色川武大さんや野坂昭如さんとも付き合いがあったそうだ。

11月14日(火)
大友良英さんの『ぼくはこんな音楽を聴いて育った』を読んだ。前衛的なノイズミュージック、ジャズミュージシャンとして知られる一方、「あまちゃん」の音楽などポップなものもこなす音楽家の、子どものころから浪人時代までを追った自叙伝である。そういえば、宮藤官九郎氏脚本の2019年大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜』の音楽も大友良英さんである。

兼任している「新潮」12月号ではこの本の書評を小説家の滝口悠生さんに書いてもらったが、校了が終わってからゆっくりと読むことができた。

人生でもっとも多感な時期の音楽原体験を語っているので、メジャーなものからマニアックなものまでとにかく情報量が多い。中学2年生で「初歩のラジオ」を見ながらシンセサイザーを自作しているが、逆に今や世界的にも有名なギタリストである氏も、ギターがうまく弾けず上手い友人にコンプレックスを感じたりする。高校時代からシュトックハウゼン、阿部薫、高柳昌行といったわけのわからない音楽に引き寄せられていく様子にはなんともグルーブ感がある。とくに福島市内のジャズ喫茶パスタンで、高校2、3年のころに阿部薫のライブを見ていたという話は運命を感じさせる。

奥付をみたら、この本、前半部が書き下ろしで、後半部が「webちくま」連載だとか。しかも前半部の書き下ろし部分のほうが長い。編集者はきっと大変だったろうなあ。

11月16日(木)
新しい年度の川端康成文学賞の予備選考がはじまる。今日は今年の上半期の短篇小説について川端香男里理事長を中心とした予備選考委員の議論を聞く。

毎年2月に下半期の短篇小説を選び、本選考委員の選考会が3月と4月に2回おこなわれて受賞作が決まる。短篇小説に限定した賞というのも珍しいが、それ以上に、もっとも手間をかけている賞なのではないか。

11月17日(金)
午前中、天童荒太さんからもらったチケットで、渋谷の松濤美術館へ行く。彫刻家・三沢厚彦さんの「アニマルハウス:謎の館」展。鑿と彫刻刀で彫り込み、着彩された等身大の動物たちの姿が不思議と、空間を暖かくしていた。松濤美術館って初めて行ったのだが、白井晟一の建物がやわらかくてとてもよかった。

午後、小説家の滝口悠生さんが以前このメールマガジンで書いた、松浦寿輝さんがパーソナリティをつとめるNHKラジオ第一放送の番組「ミュージック・イン・ブック〜音楽と文学の交差点」に出演するので、同行する。久しぶりに渋谷のNHK放送センターにうかがう。

計4回分を収録するのだが、例えば1回目は「自作に関連した曲」ということで、ジミ・ヘンドリクス「マシン・ガン」、「蒲田行進曲」、83年生まれのシンガーソングライターの三村京子「春の庭」の3曲。

それ以外の回も、四人囃子やシャッグスや田端義夫など、滝口さんが生まれる前の曲がほとんど。こうしてリストを見ると、滝口さんってやっぱりぶっとんでんなあ。 このクスクス笑いが起きそうな感じ、滝口さんの小説にもよく似ている。
 
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