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「かあさん! 俺、自分の部屋が欲しいわ!」 自立したいような、まだまだ甘えたいようなビミョーなお年頃の子どもたち、そしてそれを見守る村井さんに共感! 
「死にたい」と吐き出せるだけでも、どれだけ心が救われるか。かつて辛い思いをしたという読者の方から、さまざまな反響が寄せられています。
「母親は誰か」に注目するだけで、日本史はこんなに面白くなる! 異色歴史対談全4回、まとめて読まれています!
編集長 今週のメルマガ
 
年末になったので、今週から4週、今年読んだ本の中で、今までメールマガジンに取り上げられなかったけど印象に残っている本を、フィクションとノンフィクションそれぞれ10冊ずつあげていきたいと思います。

今週はフィクションから5冊です。

古井由吉『ゆらぐ玉の緒
先月11月に80歳になった古井さんの最新連作小説集。今は、「新潮」の担当は後輩に譲ったが、古井さんは学生時代からずっと好きで、『』『やすらい花』『鐘の渡り』の原稿を受け取った。『ゆらぐ玉の緒』は今までになく、老齢によっての病い、戦争、亡き母のことが率直に書かれている。

滝口悠生『高架線
古いアパートを舞台に16年の月日を描く。芥川賞受賞作『死んでいない者』のあとにこの小説を描けたのは、滝口さんにとって大きな自信になったのではないか。ノスタルジアや大衆性と実験性が両立するのは滝口さんならでは。いつの間にか彼にしか書けない世界を作りつつある。

テジュ・コール『オープン・シティ
ニューヨークの街を眺め、鳥の渡りを観察している精神科の研修医を主人公とした新潮クレストブックスの一冊。いわゆるフラヌール=遊歩者の小説であるが、ナイジェリアやブリュッセルの歴史との呼応のさせ方がきわめてスマートで現代的だ。若い時に読んだらきっと影響受けただろうな。

伊坂幸太郎『AX
グラスホッパー』『マリアビートル』の世界をこう広げるのか、と驚かされた。感情移入しやすい殺し屋<兜>の物語。各章のタイトルは「AX」「BEE」「Crayon」「EXIT」「FINE」で、Dの頭文字だけ欠けている。Dの作品だけうまく書けなかった、みたいなことを伊坂さんは言っているが、本当かなあ、仕掛けなんじゃないかな、と深読みしてしまう。

村上春樹『騎士団長殺し
この小説を読んでからオペラ「ドン・ジョバンニ」がまるで違う作品のように思える。小説内の舞台があまり動かないこの感じといい、免色渉という変わった人物の印象といい、読んでからしばらくすると自分の中で物語が発酵しているのを感じる。懐が大きな小説である。

11月28日(火)
村井さんちの生活」を連載し、『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』や『子どもが生まれても夫を憎まずにすむ方法』の訳書がある村井理子さんと、『料理は女の義務ですか』を先ごろ刊行した生活史研究家・阿古真理さんの対談を、当サイトに掲載することになり、会社近くでお二人にあいさつする。面識はなかったが、facebookなどweb上でつきあいがあったという二人の初めての対話は、なんとも面白いものになった。この対談の模様は、近日中に「Webでも考える人」に載せるべく、せっせと準備を進めています。乞うご期待!

11月29日(水)
新潮」新年号の最終校了日。疲れがたまって首筋が痛い。クーポンがあったので、生れてはじめてタイ古式マッサージを受ける。肘の裏で背中をごりごりしてもらったり、身体をひねったりと、普段使わない筋肉をほぐしてもらう。

11月30日(木)
重松清さんの新潮社から刊行された著作の累計が600万部を突破したということで、歴代の担当編集者らが集まってお祝いの会をした。重松さんとは1995年の『舞姫通信』からのつきあいで、現在、「新潮」で「荒れ野にて」というスケールの大きな小説を担当させてもらっている。重松さんはいつでも小説という容れものが、想像力でどこまで飛翔できるかを見せてくれる書き手だ。

 
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