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更新直後からアクセス殺到! 以前から交流のあったお二人ならではの軽妙なやりとりで、日本とイギリスの政治や教育についてバッサリと斬り込んでいます!
少子化社会と言われて久しいですが、私たちは子どもを優しく見守る環境を築けているのでしょうか。ご自身の経験をもとにした提言に、大きな反響が!
「かあさん! 俺、自分の部屋が欲しいわ!」 子どもも愛犬も毎日のイタズラに腹は立つけど、いつかそれが愛おしく思われる日がくるのでしょうか。
編集長 今週のメルマガ
 
2017年を象徴するような対談・鼎談を相次いで二つ配信しました。

一つは、以前メールマガジンで書いた、今年の第16回小林秀雄賞第16回新潮ドキュメント賞の受賞者、『中動態の世界』の國分功一郎さんと、『子どもたちの階級闘争』のブレイディみかこさんの対談「不敵な薔薇を咲かせるために」です。神楽坂ラカグの会場のチケットはあっという間に売り切れてしまいました。イギリスと日本の政治の違いなど、今年話題になった二人のここでしか読めない話の数々をまとめました。

もう一つは、『能—650年続いた仕掛けとは—』が好評の能楽師、安田登さんの鼎談です。先日は独立研究者の森田真生さんとのお話(『人間を変えるメディア、能』)を紹介しました。今回は「能を知りたい」シリーズvol.2として、主宰されている「天籟能の会」の公演のなかで、内田樹さん、いとうせいこうさんと語り合った豪華な一夜を「能の楽しみ方」前編・後編として配信しました。能を見に行って寝てもいいのかどうか、なんてことも話していて、読めば能の世界に近づけます。

先週から、今年読んだ本の中で、今までメールマガジンに取り上げられなかったけど印象に残っている本を、フィクションとノンフィクションそれぞれ10冊ずつあげてます。今週はノンフィクションから5冊です。

マイケル・ルイス『かくて行動経済学は生まれり
マネー・ボール』で知られる米国のノンフィクション作家が、行動経済学の始まりを追ったもの。主にダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキーを扱う。2002年にカーネマンはノーベル経済学賞をとりますが、この本を読んだ直後に、今年の経済学賞も行動経済学者リチャード・セイラーに決まり驚いた。行動経済学って一度はまったら抜け出せなくなりそうな分野だ。

マイケル・ルイスは、映画「マネー・ショート」の原作になった『世紀の空売り』といい、目の付け所が素晴らしい。

前田速夫『「新しき村」の百年
著者は前「新潮」編集長。矢野が編集長になる前、三年間上司だった。平野啓一郎さんや車谷長吉さんを見出した。定年後、民俗学者となった。父親の影響で幼時から埼玉県毛呂山の「新しき村」の創立記念祭に通い、武者小路実篤の担当でもあった著者が、世界にも類を見ないユートピア実践の軌跡をたどる。

東浩紀『ゲンロン0 観光客の哲学
今年もっともインパクトを受けた本。今までの東さんの20年以上の仕事が結実して、ひとつの書物になったという凄みを感じた。それでいて、第二部を読むと、この書物もまだ通過点にすぎないのだと感じる。常に未来へ視線が伸びている。

戸部田誠『笑福亭鶴瓶論
尊敬する後輩Kくんの作った本。Kくんは仏教関係などハードな人文書も数多く担当しているが、数年前から『タモリ論』『プリンス論』『1998年の宇多田ヒカル』などサブカルチャー批評本も作っていて、どれも刺激を受ける。対象の新しい意味が可視化されるというのは、これこそ批評ではないだろうか。この本を読んで、笑福亭鶴瓶という人が今までと違う凄みをもって見えてきた。

植本一子『降伏の記録
末期癌を患った夫ラッパーECDとの残された日々の記録。2016年11月から2017年7月までの植本さんの日記が中心になる。相変わらず赤裸々で激しい。
私は、私小説『失点・イン・ザ・パーク』に感動して、ECDさんには10年ぐらい前に二作ぐらい「新潮」で小説を書いていただいたことがある。ECDさんの文章も植本さんの文章も、自分の中にも日常で封印している激しい感情や欲望があることを思い起こさせる。目を背けていることに気づかせる。そして、家庭や日常がいかに危うい均衡のもとで成り立っているかを感じさせる強烈な劇薬だ(ECDの『他人の始まり 因果の終わり』も気迫の入った本でした)

12月4日(月)
妻の誕生日なので、「新潮」編集部の庶務Sさんに教えてもらった、池袋にできたアップルパイ専門店RINGOに立ち寄る。メニューはカスタードアップルパイのみ。なるほど、焼き立てのおいしさ。パイ生地のさくさく感と、バターの香りが癖になる。

12月5日(水)
先日のM1グランプリの「とろサーモン」優勝の件、なんか引っ掛かるなと思っていたのだが、そうか、昨年2位で今年も2位だった「和牛」に妙に感情移入してしまっている。芥川賞や三島賞で前回次点だったので、作家と編集者が万全を期して勝負作で挑むも、またもや次点というときのあのやるせない気持ちを思い出してしまうのだ。

 
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