東京近郊 スペクタクルさんぽ

ジェットコースター・モノレール

宮田珠己

モノレールは微妙な乗り物で、鉄道好きからは少々物足りなく思われてるんじゃないかと思う。物足りない最大の理由は、遠くまで行けない、という点だろう。日本最長の大阪モノレールなどは結構な距離を走るが、そ……

 

第5回河合隼雄物語賞・学芸賞授賞作決定

5月24日、一般財団法人河合隼雄財団の主催(協力:新潮社)による「河合隼雄物語賞」「河合隼雄学芸賞」の第5回選考会が開催され、授賞作が決定しました。第5回河合隼雄物語賞は、今村夏子さんの『あひる』……

 

考える四季

キャッチャー・イン・ザ・法学部

河野有理

今の職場に来て間もなくだったと思う。何か他の話をしている際、同僚からぽつりと「僕たちは、ライ麦畑のキャッチャーだからねえ」と言われたことがあるのを覚えている。自分のしている仕事にいったいどういう意……

 

世界史を変えた新素材

変幻自在の万能材料――プラスチック 前編

佐藤健太郎

筆者の子供の頃、ジュースといえばスチール缶かガラス瓶と相場が決まっていた。自動販売機には栓抜きがついており、買ったジュースの王冠をここにひっかけ、こじって開けるのがちょっとした楽しみだった。今とな……

 

安田菜津紀の写真日記

死にたい、といえる安心

安田菜津紀

時折見つめ返す一枚の写真がある。闇夜に浮かび上がる街が、まるで宝石をちりばめたように輝いている。初めて見る人はともすると、日本の都市部の夜景と見間違うかもしれない。その写真は2009年、シリアの首……

 

「Webでも考える人」トークイベント

鳥の羽毛にも「神セブン」が!?(前篇)

川上和人(森林総合研究所主任研究員)×高柳明音(SKE48)

小笠原諸島をフィールドに研究を続ける職業鳥類学者・川上和人を悩ませるのは、爆発する火山の溶岩、耳に飛び込む巨大蛾、そして襲い来るウツボにネズミの大群! さらに、吸血カラスや空飛ぶカタツムリまで現れ……

 

安田菜津紀の写真日記

悪魔

安田菜津紀

テレビをつけた瞬間に、崩れ落ちるビルの映像が映し出された。何の映画の宣伝だろう。それが決して架空の画ではないと気が付くまで時間を要した。「悪魔に報復する」と、星条旗を掲げた人々が叫んだ。それからど……

 

分け入っても分け入っても日本語

「青信号」

飯間浩明

子どもの時、「どうして緑色の信号を『青信号』と言うの?」と、誰しも大人に尋ねたことがあるでしょう。小学校高学年の娘も、ある日、私にそう尋ねてきました。「娘もようやく『青信号』年齢に達したか」と感慨……

 

考える猫のその日暮らし

はじめまして

大高郁子

兵庫県生まれ。イラストレーター。 京都精華大学デザイン学科卒業。 季刊誌「考える人」の連載「向井万起男のどんな本、こんな本」の挿絵を担当。主な仕事に、吉田武著『はじめまして数学』『はじめまして物理……

 

五木寛之×中島岳志特別対談 親鸞思想の危うさをめぐって

他力思想と国体

五木寛之,中島岳志

戦時教学という問題はあるとして、もっと言えば、親鸞の他力思想自体にそういう要素がある、とは考えられませんか?そこなんです。親鸞の思想と日本の国体論とが結びつきやすい構造上の問題がある。それが重要な……

 

村井さんちの生活

ロックの日

村井理子

認めたくはないが、もう6月である。1年が半分終わろうとしている。すでに全国的に梅雨入りしたとのニュースが流れたが、私が住む滋賀県ももちろん例外ではなく、ジメジメとした日が続いている。天気が悪いと汚……

 

地球の音

リズムをつなぐ

細野晴臣

太鼓は、あの世とこの世をつなぐ命綱みたいなもの。アフリカやアマゾンで暮らす人々、あるいはネイティブアメリカンのシャーマン(呪術師)が祈ったり踊ったりしてトランス状態になるとき、誰かが必ず太鼓を叩い……

 

「Webでも考える人」トークイベント

第2回 イギリス人は忘れない

國分功一郎,ブレイディ みかこ

先ほどのブレイディさんの話を聞いて思い出したのは、2年前の2015年、「立憲デモクラシーの危機と東アジアの思想文化」というシンポジウム(その1)(その2)でご一緒させていただいた時の、憲法学者樋口……

 

最後の読書

05 記憶力のおとろえを笑う

津野海太郎

前号で、いまの私はまごうかたなき「落ち目の読書人」だとのべた。ひとつには「目のよわり」のせいだが、かならずしもそれだけではない、ほかにもさまざまな原因がある、うんぬん。今回はそのつづきです。ほかに……

 

安田菜津紀の写真日記

言葉の力を信じています

安田菜津紀

取材したものを持ち帰り、発表の場を頂く度に思うことがある。自分よりもずっと、経験が豊富なジャーナリストたちが同じ場を訪れていたらどうだったろう。より声を広げることができたんではないだろうか。もっと……

 

安田菜津紀の写真日記

忘れたくない日のこと。

安田菜津紀

忘れたくない日がある。2015年2月1日、ジャーナリストの後藤健二さんがISによって殺害されたとされる映像が流された。寒い朝だった。その日は元々、シリアの隣国、ヨルダンに飛ぶことになっていた。事件……

 

イタリアン・エクスプレス

見上げてごらん

内田洋子

過日の夕焼けは見ものだった。天がぱっと黄金色に輝いたかと思うと、山吹色から橙色に、紅葉色を通り越すと、遠くの一点が藤色に染まり始め、あれよあれよという間に紫紺色が下りてきて、あとはつるべ落としの晩……

 

HTML版メールマガジン

戦後70年目の夏に

河野通和

映画「日本のいちばん長い日」(原田眞人監督)を見に行きました。1967年に岡本喜八監督が映画化した際の衝撃があまりに大きかったので、今回はどうだろうという不安がないでもありませんでした。ところが、……

 

五木寛之×中島岳志特別対談 親鸞思想の危うさをめぐって

民衆の情念、思想の煽動

五木寛之,中島岳志

ここまで思想の問題に重心を置いて伺ってきましたが、それだけではなく、いわゆる思想などとは無縁の民衆のエネルギー、という面も考えなくてはいけません。三井甲之や蓑田胸喜らが論壇で大活躍し、それと同時に……

 

イタリアン・エクスプレス

いつかまた会える

内田洋子

イタリアから日本に帰国中、東京の炎天下でへたっていたところへ、「夏の名物があるから」と、瀬戸内海の島の友人から誘われた。始発の飛行機で発ち、半日かかって島に着く。小さな島。粟島。山にはこんもりと木……