村井さんちの生活

言ってくれればよかったのに

村井理子

次男との関係がぎくしゃくしはじめたのがいつ頃だったか、はっきりとした記憶はない。ただ、去年の年末にはすでに、知り合いの何人かに事情を打ち明け、相談していたことから、随分長い間、私と次男の間で行き違……

 

村井さんちの生活

急いで大きくならないで

村井理子

春休みが終わり、息子達は5年生へと進級した。あの幼かった2人がよくぞ成長してくれたと、喜びで震える私であった……はずなのに、いささかショックなできごとが続いたため、ここ数日は心が騒いでいる。きっと……

 

村井さんちの生活

こんにちは、ハリー

村井理子

一月下旬から二月上旬にかけて、滋賀県は大雪に見舞われた。ここ十年でもっとも多い積雪量で、私達の生活にも少なからず影響が出た。立ち往生する車で生活道路が大渋滞し、車を出すことすらできずに、数日、家に……

 

村井さんちの生活

きざみ葱メガ盛りの乱

村井理子

去年の夏は、「息子達の夏休みに合わせる形で仕事の調整を済ませていたこともあって、私自身も心に若干の余裕を持って夏を楽しむことができた」なんて涼しい顔で書いていたようだ。今年の夏休みは、去年とは打っ……

 

「Webでも考える人」トークイベント

第1回 不敵な薔薇を咲かせるため

國分功一郎,ブレイディ みかこ

皆さん、本日はお集まりいただき、ありがとうございます。このたびブレイディさんは『子どもたちの階級闘争』で第16回新潮ドキュメント賞を受賞され、僕は『中動態の世界』で第16回小林秀雄賞をいただきまし……

 

村井さんちの生活

HELLO TOKYO!

村井理子

今年はじめに出版された訳書『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』(きこ書房)の著者キャスリーン・フリンがアメリカから来日することとなり、記念イベントに出席するため、しばし琵琶湖に別れを告げて東……

 

村井さんちの生活

ピカピカおにぎり

村井理子

まだ暑い日はあるものの、琵琶湖周辺はすっかり秋めいてきた。湖水浴客が少なくなったというのに、週末になると県外からの車で国道が大渋滞するのは、近所のスキー場が施設を新しくしたことや、少し北方面に行く……

 

五木寛之×中島岳志特別対談 親鸞思想の危うさをめぐって

ファシズムと宗教

五木寛之,中島岳志

はじめまして。今日は私の方が色々とお伺いする側です。私は一人の小説家ですが、中島さんは学問の世界で仕事をされている。立場は違いますが、忌憚のないお話をできればと思います。こちらこそ、よろしくお願い……

 

村井さんちの生活

僕の部屋

村井理子

先日、大急ぎで学校から戻ってきた次男が、玄関で叫んだ。「かあさん! 俺、自分の部屋が欲しいわ! そろそろ俺も六年やしな!」いつの間に、「ママ」から「かあさん」になったのだろうとちょっと驚きつつ、つ……

 

安田菜津紀の写真日記

国籍のこと。

安田菜津紀

幾重にも重なる家族の生きてきた証を、勝手に二分し、どちらかを切り捨てろと迫るものはなんだろうか。私の父はかつて、兄を認知していなかった。それだけ書くと冷徹な親だと思われるかもしれない。それが父の兄……

 

村井さんちの生活

母の日のこと

村井理子

小学生男児の母である私にとって、4月、5月は大変慌ただしい。4月は進級の月であり、新しい担任の先生との初めての懇談会の月であり、家庭訪問の月なのだ。そしてそのすべてを乗り切り一息ついたところで、恐……

 

村井さんちの生活

しっぽブンブン

村井理子

風のなかに春のにおいを感じる。朝晩はまだ冷え込むけれど、日中の数時間はリビングの窓を開け放つぐらいがちょうどいい。熱い珈琲を淹れて、ほっと一息。わが家に来て早二ヶ月の黒ラブのハリーも、私の休憩につ……

 

村井さんちの生活

筋トレボーイ

村井理子

運動会の季節になった。最近は、春に開催する地域もあるようだが、私の息子達が通う小学校では、開催は夏休み明けの初秋である。まだ残暑厳しい九月後半の週末、ほぼ一日かけて行われるこの行事、実は、私はとて……

 

村井さんちの生活

途中下車

村井理子

私の住む琵琶湖周辺も、先日梅雨入りした。今のところ湿度、気温ともに低めで、梅雨とはいえ快適な日々を過ごしている。家族はそれぞれ皆元気にしているし、愛犬のハリーはとてもカワイイしで、なかなかどうして……

 

村井さんちの生活

君がいなくなってからのこと

村井理子

正月は雪も降らず、暖かかった。まるで春のような日差しで、勘違いした動物が冬眠から覚めそうなほどだった。私は例年通り、特別に何をするでもなく、この時のためにと購入しておいたマンガを読みふけり、シリー……

 

Rhythm & Rhymes

そこに流れる言葉は独立した〈詩〉ではなく、あくまでもその情景を補足するような〈歌詞〉であってほしい。

田中和将(GRAPEVINE)

何かワケありの〈男〉が街を歩いている。それなりに歳を重ねていて、それなりに人生に草臥れている。〈男〉は一歩また一歩と歩みを進め、それから、過去にあった出来事を一つひとつ思い出しては消してゆく。それ……

 

小林秀雄賞

第十六回 小林秀雄賞

何かワケありの〈男〉が街を歩いている。それなりに歳を重ねていて、それなりに人生に草臥れている。〈男〉は一歩また一歩と歩みを進め、それから、過去にあった出来事を一つひとつ思い出しては消してゆく。それ……

 

地球の音

老人の練習

細野晴臣

ずっと前から「老人の練習」を重ねてきた。その甲斐あってようやく完成の域に達しつつある。そもそも小学生の頃から「おじいちゃん」ぽかった。覚えているのは、町医者に「過労」と言われてがっくりきたこと。生ま……

 

分け入っても分け入っても日本語

「とんでもない」

飯間浩明

「とんでもない」の丁寧な形には、現在、「とんでもないことでございます」「とんでもございません」の2種類があります。このうち、後者の「とんでもございません」は、以前から、不当な理由で「誤用」と言われ……

 

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危機は再生への希望(No.702)

河野通和

あっという間に年の瀬です。先ほど編集部には冬号の見本誌が届きました。出来立てホヤホヤのこの号が来週の月曜日に書店の店頭に並んだら、あとは固唾をのんで売行きを見守り、そして28日の仕事納めを迎えます……