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ある日、村井さん宛てに覚えのないプレゼントがどかーんと届いて……? そこから、かつて読みふけってきた本の山に思いを馳せます。本棚写真も一部公開!
かつて2016年1月に雑誌「考える人」掲載された政治史学者・御厨貴さんのコラムが急浮上! きっかけはイスラム政治思想史学者・池内恵さんのツイートから。
〈“産め産め”という空気が漂う反面、子どもを皆で育てようという場をどれほど私たちは築けてきたかと考える〉。じわじわと共感が広がっています。
編集長 今週のメルマガ
 
今年最後のメールマガジンです。

ただいま「Webでも考える人」では、先週までのアクセス数を元に年間ランキング100を20位ずつ5日にわけて発表しています。本日28日は40位から21位までの発表、そして明日29日に20位から1位を発表します。果たして今年もっとも読まれた記事は何なのか? ご注目ください。

また、今年はじまった新連載7本を担当編集者のコメントとともに「2017年総まとめ」として改めて紹介しております。

2017年に読んだ本の中で、今までメールマガジンに取り上げられなかったけど印象に残っている本を、フィクションとノンフィクションそれぞれ10冊ずつあげてきましたが、今回が最終回。残りのノンフィクション5冊です。

加藤典洋『もうすぐやってくる尊皇攘夷思想のために
1850年代の尊皇攘夷思想が、格闘と後始末が不徹底だったせいで劣化して1930年に再来し、さらに再び劣化して現代によみがえりつつあるという80周年周期説の見立てがすばらしい。「三〇〇年のものさし、江戸の前期にまでたどる歴史感覚」がなぜ必要なのか、読んでいると説得される。福沢諭吉の描かれ方も魅力的だ。

スー・クレボイド『息子が殺人犯になった
コロンバイン高校銃乱射事件の加害者の生徒の母親の手記。なぜ息子がこんな事件をおこしたのか、極限まで理性的に正確に振り返り、追求しようという著者の態度がすばらしい。「心の闇」なんて便利な言葉で言い尽くせない寒々としたリアルな感触。事件から16年後に書かれた本だとか。著者は顔写真も公開していて覚悟のあり方が違うと感じる。

養老孟司『遺言。
なんとなく『バカの壁』からつづく養老さんにしては軽めの本かと思ったら、25年ぶりの完全書下ろしだそうだ。「考え方ひとつで人生はすごしやすくなる」というようなメッセージが独特の言い回しで伝わってくる。「意味がないものにはどういう意味があるか」「意識はそんなに偉いのか」「社会はなぜデジタル化するのか」、切り口ひとつとっても養老さんはいつまでもオリジナルな人だと感じる。

赤坂憲雄『性食考
「食べちゃいたいほど、可愛い」という言葉にみんな納得するのはなぜなのか。食べる、交わる、殺す、という欲望がいかに不可分なものかを、宮沢賢治や神話など様々な文献から読み解く。民俗的アプローチの面白さを今一度再認識させてくれた本。

佐々木敦『新しい小説のために
著者の代表作のひとつになるであろう文芸評論。小林秀雄やヌーヴォーロマンを経由して、現在の最前線の文学を全方位的に擁護する。人称と視点と「私」の問題。こういう見晴らしのよさはこの著者ならではのものではなかろうか。


12月15日(金)
野間賞の授賞式、『土の記』で受賞した高村薫さんをお祝いに行く。昨年の堀江敏幸さんの『その姿の消し方』に続き、2年連続して自分が担当した作品が受賞となった。いつもこのパーティに出ると、すぐに「新潮」が年末進行で校了になり、ああ、もう年の瀬だ、という気分になる。

12月17日(日)
大佛次郎賞も高村薫さんの『土の記』に。野間文芸賞とのW受賞というのは珍しい。平凡なまだら呆けの老人が、農業にいそしむ日々を描いた高村さんの小説の中でもおそらく一番地味な小説が、こうした高い評価を受けたことになんともいえぬ喜びを感じる。
佐伯一麦さんが両賞で選考委員をつとめ、両賞で選評を書いているのだが、違う部分をとりあげ、どちらもすばらしい。言葉に念がこもっている。

12月21日(木)
auからUQモバイルにSIMを変えてiPhone6Sを使うようになって一か月。今のところまったく問題はない。昼間に電車移動していると、少し遅いかな、と感じる程度である。先月分の10日間ぐらいの料金は、953円だけだった。その分、auで3,000円の解約料(更新月に解約)がかかるのは仕方ないとして、auって解約すると、遡ってその解約月の家族間無料通話が無料ではなくなるんですね。これって、家族が離れて暮らしていて、毎日電話で話している場合、まるで知らなくて多額の電話料金を請求されたら大ショックだと思う。「遡って」というところに何か怖さを感じる。

一年間メールマガジンをお読みいただき、ありがとうございました。
「考える人」にとっては、激動の一年でした。
2018年も、ウェブの可能性を信じて、良質なコンテンツを数多く配信していきたいと思います。
良いお年をおむかえください。

次回は1月11日(木)配信予定です。

 
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