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年末に発表した、昨年のアクセス総合ランキング記事に人気が集中! お気に入りの記事はありましたか? 2018年も楽しい記事をお届けできるよう頑張ります!
昨年のアクセス総合ランキング1位を獲得した記事です。読み逃した方はもちろん、改めて読み直したいという方も多かった模様!
#MeToo というハッシュタグが生んだ大きなうねりは、年が明けてもなお止まりません。安田さんは〈最も苦しんでいる人たちに、更に声をあげることまで強いない〉ことも重要だと言います。
編集長 今週のメルマガ
 
2018年最初のメールマガジンです。
年末に昨年度の総合ランキングを発表させていただきましたが、ご覧いただけましたでしょうか。ランキングの上位となったコンテンツが年末年始に人気再沸騰中です。こういうふうに過去のコンテンツが新しい文脈で読まれるのは、ウェブならではの面白さだと思います。
今年も面白いコンテンツをつぎつぎと配信していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

12月22日(金)
新潮」2月号に掲載する池澤夏樹氏の新作狂言「鮎」を見に、千駄ヶ谷の国立能楽堂へ。はじめて来たが、建物や庭も一見の価値がある。都心に居て、これを見てないのはもったいなかったな。外とは隔絶されたゆったりとした時間が流れる。よく「能」は眠くなるなんていうけど、「狂言」は笑いどころにあふれていて、まったく眠くならないですね。どちらかといえば落語の寄席に近い。

池澤さんの普遍的かつ軽妙な上演台本が、野村萬斎の役者の力で立体化する。狂言師の動き、声、生で見るとすごいなあ。

12月25日(月)
宇野維正さんの『小沢健二の帰還』を読む。対象への愛にあふれた、でもその距離を詰めることに耽溺しないサブカルチャー批評本だ。『1998年の宇多田ヒカル』を読んで以来、「リアルサウンド映画部」を含め、宇野さんのチェックしている音楽や映画やテレビドラマは追いかけるようにしている。もっとも現代という時代の最前線が見えている音楽・映画ジャーナリストだと思う。どんな文章を読んでも、視点がはっきりとあるので、説得力があり、全面的に信頼してしまう。

12月27日(水)
高橋源一郎さんの『ぼくたちはこの国をこんなふうに愛することに決めた』を読む。集英社新書だが、中身は文芸誌「すばる」に連載した小説。当初は箱と中身がいまいちあってないような気がしたが、読み進めると「これはこれでありなのだ」という気持ちになる。メッセージ性の強い小説は新書にもあう。そうか、高橋源一郎版「君たちはどう生きるか」なのか!

12月28日(木)
仕事納めの日。新潮社では、午後2時頃から各部署ごとに社長室にいる役員たちに挨拶をする。兼務しているので、「新潮」編集部副編集長として挨拶した一分後に、「Webでも考える人」編集長としてもう一度挨拶をする。

新潮」編集長の矢野さんが大きな声で「……みなさん、今年もよろしくお願いします」と言ったのを聞き、役員の前で思わず笑ってしまう。来年の間違いでしょ、今年はあと3日しかないよ。

12月29日(金)
森内俊雄さんが早稲田大学時代のことを自在なスタイルで回想した連作小説集『道の向こうの道』が先ごろ刊行された。その雑誌掲載の担当だったことで、森内さんから地元・目白のチョコレートの名店「99ルート・デュ・ショコラ」のチョコレートをいただく。日本酒の入ったボンボンや、フルーツリキュールの入ったチョコレートなど。家族が大喜びで、妻と娘の敬意を久々に感じる。

12月31日(日)
編集部のウェブデザイナーSさんにすすめられた鷹木創さんの『オウンドメディアのつくりかた』を読みながらの年越し。ウェブマガジンとは何なのか、何が価値をうむのか、どうやって維持していくものなのか、をこの機会に改めてもう一度考える。

1月1日(月)
高村薫さん『土の記』、毎日芸術賞も受賞

野間文芸賞、大佛次郎賞に続き一つの作品で三つ目の受賞だ。梯久美子さんの『狂うひと—「死の棘」の妻・島尾ミホ—』もそうだが、トリプル受賞ともなると夢の中にいるかのような不思議な気持ちになる。

1月2日(火)
義父母に新年のあいさつ。昼間から呑んでしまう。酢だこも数の子もおいしい。くわいの触感が好きだと毎年感じる。

コルソン・ホワイトヘッドが奴隷の少女の逃亡を描いた小説『地下鉄道』を読むが、素晴らしい本格的小説だ。南北戦争より30年前のアメリカ南部を舞台に、もしもこのころ地下を走る鉄道があったら、というファンタジー的想像力で歴史を書き換えた物語。

そういえば、新潮文庫から昨年出たハリエット・アン・ジェイコブズの『ある奴隷少女に起こった出来事』も面白かった(こっちは実話)。映画「それでも夜は明ける」あたりから、奴隷時代を描いたものの受け取り方が私も変わってきている感じもする。

1月4日(木)
まだ静かな正月の一日が続く。妻も娘も出かけている。

山本貴光さんの『文学問題(F+f)+』を読む。
難解でよくわからないと言われる夏目漱石の『文学論』をロラン・バルトなみに丁寧に注釈を加えていき、文学の意味を問い直そうとする試み。『「百学連環」を読む』に続き、山本さんは独自の山頂を目指そうとしているように思い、その仕事の大きさに慄く。

1月5日(金)
仕事はじめの日。日常がやってくる。
一週間休むと、また前のようなペースで仕事に戻れるのだろうかとふと不安になるが、この感覚も来週後半にはなくなってしまうのだろう。

休みの間、仮想通貨やブロックチェーンについても勉強した。この分野のことを勉強すると、いかに今がエキサイティングな時代なのかと思わされる。今年もまた大きな地殻変動が起きそうだ。

 
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