「はたらく」とは何か――そのことへのヒントを探るにあたり、まずは「仕事」や「はたらく」ことについて真摯に考えている方にお話を伺おうということになりました。そのとき、真っ先に頭に浮かんだのが、作家・三浦しをんさんでした。

 人生のひとつの大きな岐路である就職活動をテーマにした『格闘する者に○(まる)』で作家デビューし、林業、辞書編纂、文楽太夫、便利屋、つまみ簪(かんざし)職人など、さまざまな職業に就く人々を書いてこられました。ご自身もデビュー以来、精力的に執筆の「仕事」を続けておられ、ずっと「はたらく」ことについて考えていらっしゃる印象を持っていたのです。

〈将来の夢なんて考えていなかった〉幼少期から、職業の選択肢のあまりの少なさに愕然とし、悩み苦しんだ就職活動の時期を経て、ふとしたきっかけを与えられて小説家になった三浦さん。人間関係をいろいろな形で書くことを試していくうちに、現代の日本の大人を書く上で「仕事」がかなり重要な部分を占めていることに気づいたそうです。
 また、ご自身は今や天職を得て楽しく執筆されているのかと思いきや、意外なことに、実は自問の日々があったことを告白してくださいました。

 押しも押されもせぬ人気作家の胸のうちに湧き出た〈働くって何なのかな〉という疑問やその答えを模索する姿――それはなんら私たちと変わりなく、大きな共感を呼ぶこと間違いなしです。

 三浦さんはどんな言葉でご自身の模索を語ったのか。「理想の生き方を知りたくて、仕事を書く」、10ページのロングインタビューを是非ご堪能ください。