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 なぜ私は仏教を選んだのか? なぜ仏教でなければいけなかったのか? 仏教のどこに惹かれたのか——。
 曹洞宗の総本山・永平寺の門を叩いてから30年余。「恐山の禅僧」南直哉師が、出家以来ずっと続けてきた仏教探求の旅。その成果としてまとめられたのが、1月25日刊行の『超越と実存 「無常」をめぐる仏教史』(新潮社)です。

 本書の刊行を記念して、本書所収の「プロローグ——私の問題」を公開、さらにサイン本プレゼント企画を実施いたします。ぜひお読みの上、ふるってご応募ください。

1月15日(月)
横浜の実家に泊まったので、久々に東海道線で出社。車内で伊丹十三さんの『ぼくの伯父さん』を読む。

伊丹さんの没後20年の単行本未収録エッセイ集。「考える人」初代編集長の松家仁之さんの編集で、二段組や三段組の頁があったり、カラー頁があったり、とても楽しいバラエティブックだ。装幀と本文デザインは雑誌「考える人」の本文デザインをずっとやっていただいた島田隆さんで、矢吹申彦さんや和田誠さんのイラストも綺麗に収録されている。

60年代後半から70年代前半のエッセイが中心で、当時の空気が伝わってくる。スタイルがある。これからの時代はこういうかっこよさは成立するのだろうか?

そういえば「考える人」創刊第3号の特集は「エッセイスト伊丹十三がのこしたもの」だった。あれから15年、いまだからこその伊丹十三の存在の大きさを感じる。

1月16日(火)
一年に二回の芥川賞・直木賞の選考会の日。「新潮」からは、新潮新人賞受賞作の石井遊佳さん「百年泥」が芥川賞候補となった。

芥川賞候補になると各紙文芸記者の個別インタビューや合同インタビューをすることが多いのだが、石井さんはインドのチェンナイ在住なので、zoomというskypeのようなインターネットサービスを使っておこなった。いつも通信環境がよければいいが、回線が不安定になるときもあるため、お呼びした各社の新聞記者とのやりとりがスムーズにいかなくなったらまずいと、昨年末から、担当の田畑くんはずっと試行錯誤していた。

結果はご存知の通り、石井遊佳さん「百年泥」若竹千佐子さん「おらおらでひとりいぐも」 が受賞。石井さんは新潮新人賞受賞作、若竹さんは文藝賞受賞作での受賞。2作受賞でどちらもデビュー作というのはおそらくはじめてではないか。

ちなみに、新潮新人賞の受賞作が芥川賞をとったのは、1985年の米谷ふみ子さん「過越しの祭」以来33年ぶりのことである。

社内選考のときから、ずっと一貫して「百年泥」を推してきた田畑くん、さすが!である。上田岳弘さん、高橋弘希さんを見出したのも彼だ。

このメールマガジンが配信のころには、もう書店に単行本が並んでいるはず。石井さんが新人賞受賞時に都内でおこなった唯一のインタビューはこちらです。

1月18日(木)
仮想通貨の本を読んでいた流れで、佐藤航陽さんの『お金2.0』を読む。

著者は、「タイムバンク」という、個人の「時間」を売買するシステムを開発したメタップスという会社の創業者である。

仮想通貨以降のテクノロジーと経済の方向性を示そうという本。資本主義から価値主義への転換を説く。あまりに考え方が新しく、そのスマートな思考方法をとてもスタイリッシュに感じる一方、SF映画の行く末のようで(ドラマ「ブラックミラー」顔負け)、ついていけず怖くなる瞬間もある。最近読んだ中で一番インパクトのある一冊だ。

1月19日(金)
昨夕、インドから芥川賞を受賞した石井遊佳さんが急遽帰国。担当の「新潮」編集部の田畑くんが成田空港まで迎えに行った。

今日は昼に、石井さんと田畑くんは芥川賞受賞者の恒例となっている文藝春秋本社への表敬訪問。そのあと、新潮社の写真部で撮影。

昨年9月に新潮新人賞をとったばかりで、まだ小説家であることに慣れてないのに、これからインタビューを山ほど受け、新聞各紙からエッセイを依頼されることになる。この一夜にしてがらっと境遇が変わる感じ、芥川賞ならではだと思う(直木賞はそこまでの新人が受賞するケースは少ない)。

うれしいことばかりではない。急に時間の自由がきかなくなる。何を受けて何を断るか考えなければいけない。石井さんも田畑くんも大変だ……。

1月20日(土)
石原さとみ主演のドラマ「アンナチュラル」第2話を見るが、第1話につづきとても面白い。法医解剖医の世界を舞台にした職業もので、アメリカのドラマでいえば「CSI:科学捜査班」や「ボディ・オブ・プルーフ」に近いノリ。

『逃げるは恥だが役に立つ』や『重版出来!』の脚本家・野木亜紀子のオリジナルの脚本がまずすばらしい。説明的なセリフがなく、事件の展開も先を読ませない。

また、石原さとみ、市川実日子、窪田正孝、井浦新、松重豊らチームの演技のアンサンブルが自然ですごい。

それだけでなく、湊かなえ作品『リバース』『Nのために』『夜行観覧車』のドラマ化を手がけた新井順子プロデューサー、同じく湊作品のドラマで演出を担当した塚原あゆ子さんのコンビが静かに新しいようですね。特に役者陣が塚原あゆ子さんの独特な演出について語ったこのインタビューが面白かった。こういう裏方たちが日本のドラマを成熟させるのだろう。

 
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