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1月22日(月)
大雪の日、出社せず自宅作業。埼玉県に住んでいるので、都心よりだいぶ積もる。

昨日入水して亡くなった西部邁さんの『保守の真髄』をぱらぱらと読む。昨日、近くの書店で入手した。あとがきで今回のことをほのめかしている。これを口述筆記したらしい娘さんはきつかったろうな。

中森明夫さんのこんなツイート

西部邁氏、死去の報。5日前の深夜3時過ぎ、四谷三丁目の中華屋へふらりと行ったら西部先生ご一行がいて朝まで呑んだ…お元気だったのに。「中森くん、なんで僕がこの店にいるとわかったの?」「西部先生の電波で呼ばれてキャッチしたんですよ」そんな会話…西部さんが大好きでした。ショックです…

中島岳志さんのツイート

西部邁先生と最後にお会いしたのは今年の1月5日。ご自宅に招いていただき、約7時間、お話ししました。以前から、「病院での延命が目的化した生」を拒否し、はっきりと自己判断ができる間に死を選ぶというご意志を聞いていたため、1月5日に別れを覚悟して帰路につきました。

文壇バーでよく西部さんから話を聞いていた「新潮」編集部の清水くんは、別に担当ではないのに、思わず泣いてしまったそうだ。

覚悟を決めたあと、残った日々をどういう思いで生きていたのだろうかといろいろ想像する。

3年前に新潮社から出た『生と死、その非凡なる平凡』を読み返す。妻の看病をしながら書いた半生記。何度読んでも著者の筆圧に圧倒される。

1月23日(火)
映画「嘘を愛する女」の初日舞台あいさつで、高橋一生が「僕こういう大きな宣伝活動をするのは初めてで、宣伝の〇〇さんに『宣伝とは何か』を叩き込まれました。本当に感銘を受けて、皆さんに観ていただくために色々なことをしていて」と話しているのをテレビで見て驚いた。

高橋一生ぐらい長くやっている人でも映画の宣伝活動ははじめてなのか。映画の中で高橋一生は、長澤まさみのサスペンスラブストーリーの相手役なわけだが、よく考えると彼がブレイクしたのは昨年頭ぐらいからだから、映画で主役級の大きな役はまだ珍しいのかもしれない。

あらためてタレントのブレイクというのは不思議なものだと思う。星野源だって斎藤工だって急に俳優をはじめたわけではない。昔から脇役としてそこにいた。あるとき脚光をあびると、そこでもともとあった個性が輝く。主役として、新しい人になる。

数年たつと、ブレイクしたときほどは脚光をあびなくなるかもしれない。でも以前の脇役には戻らない。静かに輝き続ける存在になる。

そこには、事務所や広告代理店が仕掛けたから、とだけでは言い切れない何かがあると思うのだ。

1月24日(水)
磯部涼さんの『ルポ川崎』を読む。

磯部さんはラップなどの音楽に詳しい評論家・ライターだと思っていたので、街を主人公にしたルポルタージュを書くとは意外だった。だが、読みすすめると工業都市の川崎のヤクザや売春、不良、ドラッグ、多文化地域、人種差別などの状況を追ったノンフィクションでありながら、都築響一さんの『ヒップホップの詩人たち』に連なる問題意識があって、磯部さんしか書けない本だと思った。

3年前に多摩川で起きた中学一年生殺害事件など、川崎で起きていることを克服すべき社会問題として捉えるのではなく、BAD HOPというラップグループなどそこから生まれた文化に耳をすます。「ここは地獄か」というような場所に、光を見出す。

それにしても川崎市は不思議な地域だ。海に近い川崎区と、海から離れた麻生区や多摩区でおそろしく文化が違う。どうしてこんな市になったのだろう。

1月25日(木)
高村薫さんの「新潮」掲載時の担当として、毎日芸術賞の贈呈式・パーティへ。夕方から開かれる贈呈式が多いなか、毎日新聞社が主催の毎日出版文化賞と毎日芸術賞は午後2時あたりからひらかれる。まだ日の暮れないうちから、乾杯をしているとなんともいえないゆるゆるとした気持ちになる。夜を長く感じる。

高村さん、日帰りで大阪に帰るので東京駅までお見送りする。毎日新聞に「我らが少女A」を連載中でかなり忙しそうだ。

1月20日(土)
三鷹SCOOLまで、滝口悠生さんが昨年刊行した長篇小説「高架線」の舞台化を見に行く。 家賃3万円のボロアパート・かたばみ荘の16年間が描かれる。作・演出の小田尚稔さんの舞台を見るのははじめてだ。

昨日の初日を見た鴻巣友季子さんのツイートに深くうなずく。

三鷹scoolでの、滝口悠生原作、小田尚稔脚本・演出、佐々木敦プロデュース「高架線」の初日へ。語り手は語っていない間、どこにいるのだろう。語り手の語り手としての影、作中人物としての影、聴き手としての、観者としての影が見えた。原作ファンもぜひ。

SCOOLをプロデュースしているのは評論家の佐々木敦さん。こうした場所を提供しているのはすごく意義深いことだと思う。小さなスペースで新しい文化の誕生を共有する。佐々木さんのツイッターをフォローしていると、この人には休日という概念がないようでバイタリティーに驚かされる。

 
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