webでも考える人メールマガジン
webでも考える人 ランキング
当サイトでも大人気の翻訳家・村井理子さん、実は緊急入院されていました。シリアスな状況下でも、笑いの種は見逃さない! 抱腹絶倒闘病記!
順位をひとつ下げましたが、まだまだ人気は衰えません。阿古さんの新刊『料理は女の義務ですか』や村井さんの訳書『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』にも注目。
バレンタインデーを機に、アクセスが急増しました。高級化していくチョコレート、カカオの生産地であるガーナの子どもたちは見たことも食べたこともありません。
編集長 今週のメルマガ
 
今日2/22(木)から、注目の情報学者ドミニク・チェン氏の新連載「未来を思い出すために」が始まりました。

松岡正剛氏との不思議な共著『謎床:思考が発酵する編集術』が話題のドミニク氏は、81年生まれの気鋭の情報学研究者/起業家です。

「クリエイティブ・コモンズ」「フリーカルチャー」「ウェルビーイング」「シンギュラリティ」「プロクロニズム」「謎床」——こんな言葉をキーワードに、趣味である<能>や<糠床>の経験も活かしながら、彼の思考の閃きが次々と展開していく予定です。何と何が結びつくのか。まったく新しい思想家の誕生にご期待ください。

2月12日(月)

小島毅さんの『儒教が支えた明治維新』を読む。

小島さんの専門は中国思想史で、東アジアの中の日本という視点を常に持っている人。いかに、日本の律令国家が、儒教の思想から成り立ち、その後、朱子学、陽明学として武家の間に広まり、そしてその教養が明治維新につながったかを書く。いろんなところに書いたものを束ねたもののようだが、それぞれの文章には通奏低音が流れている(先週は先崎彰容さんの『未完の西郷隆盛』を読んだが、こちらの本にも西郷隆盛が扱われている。)。

あとがきにこうある。
 

……「中国・韓国の哀れな現状を見れば明らかなように、近代社会にそぐわない封建的な思想」という、明治の福沢諭吉が唱え、昭和の司馬遼太郎らが継承した説は、事実誤認も甚だしい。近年もさる米国人がこれと同類の本を出版して大変な人気になったのは、嘆かわしいとともに、私たち儒教研究者の非力を思い知らされるできごとだった。

今の時代に、切実で重い動機だと思う。

2月13日(火)
娘に「尼神インターっていつまで編集長すると思う?」と急に聞かれたので、「えっ、編集長してるの?どっちが?」とびっくりして聞き返したら、「ヴォーグ」編集長のアナ・ウインターの聞き間違えだった。

2月14日(水)
逃げるは恥だが役に立つ」「アンナチュラル」が面白いので、同じ脚本家・野木亜紀子さんの「重版出来!」(2016)をAmazonプライムビデオで連休中から一気に見た。

脚本の出来はもちろんすばらしいが、原作の松田奈緒子さんの漫画を読んでなかったので、漫画作りや出版社の世界のリアルさに驚く。漫画の世界はよくわからないけど、このドラマにある物つくりの現場の感覚、「新潮」編集部で18年間私が味わってきた文芸の世界にあまりに似ている。心当たりのある、日頃は封印してきた感情を思い出し、揺さぶられる。

普通のドラマだったら悪役になりがちな安田顕さん演じるベテラン編集者・安井昇に、編集長がねぎらいをかける第6話のセリフがすごいと思う。

2月15日(木)
村井理子さんの「村井さんちの生活」更新。実は、新年早々、ご病気で入院されていたことを明かす回。「突然の入院騒ぎ その1 —Confidence is silent.— 」。ドキュメント形式で、入院のディテールが語られる。緊迫した大変な状況が、淡々とユーモアを交えて語られる、見事な村井節。武田百合子さんの文章を思い出した。

こういう原稿をアップした途端、さっと注目を集め、驚きをもって拡散していく様子を眺められるのは、ウェブマガジンの編集者の特権である。担当のSさんのつけたコピーは「約1カ月の沈黙を破って、今ここに村井理子 is back!!!!!!!!!!」。謎のシュワルツネッガー調。ビックリマークの多さに気合と愛情がみなぎっている。

2月16日(金)
奥泉光さんの新刊小説『雪の階』にどっぷりとはまる。すごく好み。二・二六事件の前後を舞台にした華族の娘が主人公の、ミステリー仕立ての世界なのだが、ルビの振り方も含め凝りに凝っている。

奥泉さんの小説、『鳥類学者のファンタジア』からの流れも好きなのだが、『グランド・ミステリー』や 『神器−軍艦「橿原」殺人事件』といった戦前・戦中の「日本」という国体に関わる話に、なんともいえず惹かれる。奥泉さんの小説では、いつもなつかしさと新しさが同居している。小説を読むことの至福を感じる時間だ。

昨日配信した村井さんに大きな反響。中に出てくるカズオさんのことが心配だという声が多いので、村井さん、ツイッターで答えていた。後日談がダイレクトに届く面白さ。
 

新潮社の考える人に書いた原稿に書いたカズオさんのその後と尿量を心配している方が多い。カズオさんはその後尿量を増やし、退院された。カズオさんの尿量については、大部屋を離れてからも定期的にチェックしていたので安心して下さい。(@Riko_Murai - 2018年2月16日)

一度だけ、カズオさんが待合室でiPhoneを使っていたのを見たことがある。カズオさん、まさかググらないよなと自意識過剰気味に心配したのだが、カズオさん、もしかしてこのツイート見てますか? 尿、どうですか? 私はすごく元気です。(@Riko_Murai - 2018年2月16日)

カズオさんだけじゃなくて、病院で出会ったおじいちゃんたち全員のことを心配しながら東の空を見ている。(@Riko_Murai - 2018年2月16日)

webでも考える人 最新の話題
兵庫県生まれ。イラストレーター。 京都精華大学デザイン学科卒業。 季刊誌「考える人」の連載「向井万起男のどんな本、こんな本」の挿絵を担当。 主な仕事に、……
私たちに最も身近な愛玩動物といえば、犬と猫です。「犬猫」と並べて言いますが、語源についてよく議論になるのは、とりわけ猫のほうです。最近も、テレビ番組で、……
私がある本をえらぶのか、それともある本が私をえらぶのか。いずれにせよ、近ごろは、じぶんとおなじ年ごろの70代から80代ぐらいの人たちが書いた本を手にとる機会が、……
今年の大学入試センター試験に、本居宣長の「石上私淑言」(いそのかみのささめごと)が出た。「次の文章は『石上私淑言』の一節で、本居宣長が和歌についての自身の……
1980年代前半、学生の政治意識は低く、学生運動は沈静化しており、大学は社会人になるためのモラトリアム期間であることがほぼ公然と認められていた。……
特集のなかに、ひとの生命に直接はたらきかける食の象徴であるような作品、あるいは人物がいてほしいと編集部では考えました。水上勉『土を喰う日々』か、……