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2月25日(日)
「新潮」編集部は校了中で全員休日出勤。途中、田畑くんが抜けたので、どこに行ったのかと思ったら、会社の近くのベルギービールバー「ブラッセルズ」がちょうど今日で30周年なので、顔を出してきたという。

僕が会社に入ったのは1993年なので、店がオープンしてから5年のころである。社員の常連メンバーがたくさんいた。私は常連というほど通ってはいないが、それでも思い出がたくさんある店だ。

まだ売れっ子になる前に会社務めをしていた恩田陸さんと何度も打ち合わせをした。
重松清さんが直木賞をとった後に、つきあいのある歴代の編集者が集った。
晩年の三浦哲郎さんがブロンシュ(白ビール)や修道院ビールを気に入って、一緒に飲んだ。
この店で、青木淳悟さんを中村文則さんに紹介した。

さまざまな記憶がよみがえる。

2月26日(月)
先日、安田登さんの担当編集者として紹介した足立真穂さんは書評サイト「HONZ」のメンバーなのだが、彼女がそこで書いた「360年続く出版社を訪ねて」というレポートが面白かった。

東京の御茶ノ水や神田の近く、小川町に「檜書店」という1659年に京都で始まった書店がずっと続いて残っているのですね。江戸時代も初期、四代将軍の徳川家綱のころである。

日本の商業出版は1615年ごろ、京都ではじまったのだとか。それから400年たった歴史の先っぽにいて、自分は、日本最古の今年114年目の文芸誌と、ウェブマガジンという商業出版というべきなのかどうかもよくわからない新しい媒体を作っている。何かを読みたい、知りたいという人間の根源的欲求はそう簡単には変わらない。形が変わっているだけだ。

2月28日(水)
「yom yom」創刊編集長だった弊社の編集者・木村由花さんが亡くなって三年となる日。書評家・豊崎由美さんの想いあふれるツイート。

今日、2月28日は新潮社の素晴らしい編集者だった木村由花さんの命日。あれからもう3年も経ってしまったのか。木村さんはスポーツ好きで、オリンピックのたびにお宅にお邪魔しては大騒ぎしたっけ。平昌オリンピックも一緒に見たかったなあ。(@toyozakishatyou - 2018年2月28日)

1993年に入社して出版部に配属され、一番いろんなことを教わった編集者が木村さんだった。「波」の進行係として、また日本ファンタジーノベル大賞の係として、編集者のイロハを教えてくれた。日曜日の項に書いたブラッセルズにもよく連れてってくれた。

もういないことは分かっているはずなのに、いまだに、仕事で何か迷いが生じると、ちょっと木村由花さんに相談してみようかな、なんていつの間にか考えたりしていることに気づく。心が追い付いてない。

3月1日(木)
佐藤尚之さんの『ファンベース』を読んだ。

ファンベースとは、ファンを大切にし、ファンをベースにして、中長期的に売上や価値を上げていく考え方のことらしい。共感を熱狂へ、愛着を無二のものへ、信頼を応援へ。まさに、出版業界でこれから強く考えていかなくてはいけない方向性である。

著者は電通出身の、コミュニケーション・ディレクターだが、自分としては「さとなお」の名義で出されたグルメ本になじみがある。『うまひゃひゃさぬきうどん』『ジバラン——フレンチレストラン・ガイド』『胃袋で感じた沖縄』。すごく影響を受けて、繰り返し読んだ。ウェブ上の「さとなおのおいしい店リスト」にもどれだけ助けられたことか。決して威張らない食事の楽しみ方を教わった。

3月2日(金)
3月末にはじめての短編集『』が刊行される広島在住の小説家・小山田浩子さんが上京し、久々に会う。神楽坂で中華を食べながら、気持ちのいい時間を過ごした。小山田さんとは、新潮新人賞を受賞した時からのつきあいだ。

』は、『工場』『』以来の4年ぶりの単行本で、単行本未収録のほぼすべての作品15篇が収録される。柴田元幸さんが、帯文で書いているが、彼女の世界は、良質の外国文学にも通じる緻密かつ大胆な奇想と、いかにも日本的な日常の手触りとが不思議と共存している。新しいのに、どこかなつかしい。
 
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