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いったん退院した村井さん、実はそのあと再入院→心臓の手術という大変な事態になっていました。息をするのも苦しいさなか、必死に観察眼を光らせた渾身の再入院記!
気鋭の情報学者ドミニク・チェン氏の連載が連続ランクイン! 複数の言語を体得する中でご自身の《バグ》=吃音を発見。吃音とはどのような存在なのかを綴っています。
稀代の批評家・小林秀雄の担当編集者が綴る回想。「人生に迷って、途方に暮れている人の方が教養ある人と思われます」と語った小林秀雄の真意は。
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4月16日(月)
ラカン派の精神病理学者・松本卓也さんの新刊『享楽社会論』を読んだ。

人はみな妄想する——ジャック・ラカンと鑑別診断の思想』が2015年に話題になった気鋭・1983年生まれの注目の精神分析家の二冊目の本。手ごわい本だが、これは現代思想の文脈でかなり重要な本だと思った。

現代ラカン派の理論を紹介しつつ、うつ、自閉症、ヘイトスピーチ、レイシズムといった現代的な事象を分析する。その分析がかなりクリアな感じ。

「……つまり現代では、もはや象徴界の論理や不在の<父>の存在を信じることそれ自体が不要となり、その代わりに享楽の「露出」と獰猛な超自我の命令が支配する時代が到来しているのである。」

きわめて明晰な思考。こういう文章を読むだけでしびれる。

4月17日(火)
新潮」で連作小説を書いている田中慎弥さんの担当に新しくなったので、前任者の田畑くんと引き継ぎのあいさつをする。

すべての原稿を原稿用紙に手書きで記し、パソコンも携帯電話も使わない田中さん、話していると昔ながらの「文士」という感じがする。小説家になって以来、原稿がすすまない日はあっても、机に向かわない日はないという。

現在、「文學界」の連載小説「地に這うものの記録」と、「新潮」の連作小説をはじめて同時並行で書いている。全く違うテーマに、全く違う文章のトーンで驚く。

ゴールデンウイークあけに連作の4作目を送ってもらう予定だ。

4月18日(水)
辻原登さんの出版部引き継ぎのあいさつ。私も「新潮」担当者として付き添う。この日も昨日に引き続き田畑くんと一緒、「webでも考える人」編集部の一くんも一緒だ。

新潮社から出た『籠の鸚鵡』に続く、辻原さんの新作長篇小説は、「中央公論」に連載中で谷崎潤一郎の作品にインスパイアされた「卍どもえ」である。今月号で連載10回目だが、まだまだ前半だとのこと、辻原さんの長篇小説の中でもかなり大作になりそうだ。

4月19日(木)
会社の同期の編集者story sellerくんのこんなツイートを発見。

「「シュタインズ・ゲート」が大好きな中二(!)の息子に、鳳凰院凶真モード全開でメールを送ったら、友達に見せたらしい。最初は「うちの父ちゃんも、こんなに面白かったらいいのに」だった反応が、段々「ちょっとヤバくね?」となり、最近は「お前も大変だな」になったそうだ。息子よ、強く生きろ。」(@editor_of_SS - 2018年4月16日)


ハハハ、みんな子どもの友人に同じようなことを言われているなあ。story sellerくん、俺もよく娘の友人に言われるよ!(職業病だろうか? それともそういう人格の人しか編集者になれない?)

4月20日(金)
短編集『』が評判になっている小山田浩子さんが、先月にひきつづき対談やインタビュー取材のために広島から上京した。出版部の担当者である一くんと一緒に会う。

4月頭に神戸と大阪で、柴田元幸さん、津村記久子さんとの対談イベントがあったのだが、それがともに素晴らしいものだったらしい(津村さんとの対談は、当サイトに掲載する予定です)

そのときの話などを聞く。小山田さんは文学のシンポジウムなどでウィーンやニューヨークや韓国に行っているが、よく考えたらデビュー8年にして日本での公開イベントはこれがはじめてだった。東京ではまだ公開イベントがないのが不思議な感じ。面白いプログラムを考えたい、とわくわくする。


来週はメールマガジンお休みいたします。次回の配信は、5月10日(木)です。

 
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