ISやその他の武装勢力による何重もの戦闘に巻き込まれていった北部、テルタマルの街。

 3月に続き、5月頭に渡航したシリア北部は今実質、クルドの人々が統制する自治区となっている。この国でクルドの人々がたどってきた歴史は熾烈なものだった。一部の人々は国籍を与えられず、教育や居住の自由に制限を受けたり、不当な逮捕や拘束におびえたりと、内戦前から厳しい環境に追いやられてきた。ISを支持した一部のアラブの人々への怒りが高まる一方、逆に自治を敷こうとするクルド人に対するアラブ人からの反発があるなど、戦闘が収まった地でも彼らの今後は先行きが見えない状態だ。

 ある夕方に、郊外の小さな村を訪れた。夕日の中、子どもたちのはしゃぐ声が響いている。ふと一人のお父さんが、彼ら、彼女たちを指さしながら誇らしげに声をかけてきた。「ご覧、あそこでクルドの子どもとアラブの子どもたちが一緒に遊んでいる」。

 シリア内戦がはじまってから7年という月日が経った。あまりに多くの勢力や国々の思惑が複雑に絡み合い、人々は分断されていった。望まずしてそんな戦闘に巻き込まれてきたからこそ、共に生きる道のりはなお険しいままだ。けれどもこうして同じ場を当たり前のように分かち合える子どもたちの姿に、明日への希望を託したくなる。そして改めて自身を振り返る。大人こそ手を取り合い、その背中を彼らに見せなければ、と。

雨上がりの夕暮れ、サッカーや追いかけっこをしながら、共に遊んでいた子どもたち。