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新潮クレスト・ブックスより刊行されたばかりの短篇集『戦時の音楽』より、ひときわユーモラスで幻想味あふれる一篇を掲載! 小説の全文掲載は初めての試みです。
日本でも様々な形の家族が暮らし、海外ではそれを支える取組みも進む中「子どもたちが“産まれてきてよかった”と心から喜べる社会を築けているか」という問いが多くの人に響きました。
大手術を終え、目覚めて最初に視界に飛び込んできた驚きの光景とは……! 極限状況でますます冴える観察眼とユーモア。今週もベスト3入り。
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小林秀雄賞を受賞した『数学する身体』の文庫化を記念して、森田真生さん(独立研究者)と青木淳さん(建築家)の特別対談「新しい「わかる」はどこにあるのか」を配信開始しました。

数学と建築という、隣人のようで遠い、遠いようで親密な領域で新しいお仕事をしている二人の話題は歴史から認知科学まで、新疆からロンドンまで……縦横無尽に行きつ戻りつしながら、新しい学び、新しい「わかる」のありかを探ることになりました。全3回一挙配信、la kaguなどでおこなわれた公開イベントではなく、こちらはクローズドにおこなわれた、ここでしか読めない対談です。お楽しみください。


6月25日(月)
娯楽番組を創った男』で、総合バラエティを作った伝説的なNHKの芸能ディレクター丸山鐵雄を描いた尾原宏之さんが来社、以前からつきあいのある編集部の「三くん」に紹介してもらった。尾原さんは、日本政治思想史を専門とする注目の政治学者だが、前職はNHKで芸能担当だった。当時の話が面白く、その話ばかり聞いてしまった。

「Webでも考える人」で連載をしてもらえるよう、現在、打ち合わせ中である。


6月26日(火)
鴻巣友季子さんの『翻訳ってなんだろう?』(ちくまプリマ—新書)をとても面白く読んだ。

「翻訳とは一種の批評なのです。しかし翻訳者が書くのは、その作品の論評ではありません。作品そのものを書くのです。(中略)だから翻訳とは“体を張った読書”だと言えるでしょう」

という序章の宣言がいい。

鴻巣さんには『風と共に去りぬ』の新訳を新潮文庫で出されたあとに、「新潮」で「『風と共に去りぬ』の謎を解く」という批評を4回書いていただいたのだが(現在yomyomで続篇を連載中)、小説家の内面と必然を追体験した気づきの鋭さに圧倒された。

この本で扱うのは、『赤毛のアン』『不思議の国のアリス』『嵐が丘』『アッシャー家の崩壊』『ライ麦畑でつかまえて』『ピグマリオン』『灯台へ』『高慢と偏見』『情事の終り』『風と共に去りぬ』の10作。この作品はよく覚えている、もうわかっている、となんとなく思っている作品ほど、鴻巣さんの記述を読むと驚きがある。


6月27日(水)
ながらく出版部第一編集部の編集長として「クイーンオブ純文学」のような存在だった斎藤暁子さんが、この6月でとうとう会社を辞める。私が最も尊敬している編集者のひとり。

大げさな送別会はしないとのことなので、「新潮」編集部の校了中にご飯につきあってもらい、入社2年目から9年間いた当時の「新潮」の話をみんなで聞く。異動してすぐに「新潮」新人賞候補作になった増田みず子さんの担当になったこと。高樹のぶ子さんに会いに行って原稿を頼んだ日のこと。

新潮」は創刊114年だが、女性編集者は斎藤暁子さんが2人目。今年4月に異動してきたTさんを含め歴代で8人しかいない。


6月30日(土)
数日前に定期券を失くした。東京メトロ発行のクレジットカードに定期券を一体型にしているのだが、会社に行こうとしてかばんのどこを探しても出てこない。もよりの駅や交番で遺失物として届いていないか聞くが、届いてないという。

久しぶりに現金で切符を買って会社に着いて、パソコンで調べると、手数料はかかるが、定期券やクレジットカードは再発行できるとのこと。おおっ、それなら、クレジットカードだけでも危ないから止めようかと思ったときに、頭の中に自分の声が響く。

<何年、自分をやっているのだ。絶対、お前の性格からして、家のどこかに置き忘れているはずだ。探し物の能力が低いんだから、もう少し待ってみたほうがいい。クレジットカードを止めてから、すぐに見つかったことが2回あっただろ?>

で、数日我慢していたら、今日、見つかった。前日着たと思っていたジャケットを勘違いしていただけで、その日着ていたジャケットのポケットに普通に入っていた。編集部で話して変に同情を買おうとしなくてよかった。

自分の能力を低く見積れる。自分の弱点がわかっている。こういうのも大人の成長っていうのだろうか?

 
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