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『はじめての沖縄』刊行記念イベント、『マンゴーと手榴弾』原稿完成、誕生日、ライブ出演、飲酒、新潮社への抗議。新しい小説の執筆も再開されたという岸さんの8月の日記がアクセス首位でした。
NHK「夏休み子ども科学電話相談」でもおなじみのお二人による、チケットが即完売となった対談を、前後編に分けて掲載。引き続きよく読まれています。
新作のThe Overstoryというタイトルは「森の一番高い層を形成する木々」のことであると同時に、あらゆる物語の上に立つ「超物語」の意味も込められているそうです。
編集長 今週のメルマガ
 
今年の5月に決まった第6回河合隼雄賞、既報通り、物語賞は松家仁之さんの『光の犬』、学芸賞は鶴岡真弓さんの『ケルト 再生の思想——ハロウィンからの生命循環』でした。遅くなりましたが、その授賞作発表記者会見の様子を掲載しました。選考委員の方々のコメントが興味深いと、昨年の掲載時にもとても注目を集めました。なぜこの作品が授賞したかが多面的に語られる、臨場感あふれる記事です。どうぞご一読ください。

8月26日(日)
映画「検察側の罪人」を見に行った。面白かった。特にファンではないのに、なぜか原田眞人監督の近作は「駆込み女と駆出し男」から4作すべて見ている。

アイドル・タレントとしての木村拓哉の存在は面白いと思っても、ドラマ・映画でのキムタクの役柄や演技には近年あまり惹かれなかったのだが、自分の信念、大義のために闇に足を踏み入れていく「検察側の罪人」のキムタクに、誰もが知るスターを再発見した気持ちになった。

ライムスター宇多丸のインタビューで、キムタクは「原田監督から『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』のマシュー・マコノヒーの演技が最高だと示唆を受けた」と話していたが、なるほど、過去の事件への妄執で自分を見失いかけているところが似ているのか。いつもより低めの声のトーン。二宮和也の演技はやはり素晴らしいけど、それでもこれはキムタクの映画だと思う。

この作品、同じく検事を演じた「HERO」とポジとネガのような関係になっている。「HERO」にも出演した松重豊や八嶋智人や大倉孝二と共演しているが、関係性がまるで違う。

なんとなく思い出したのが、「ディパーテッド」の頃のレオナルド・ディカプリオや、「甘い人生」の頃のイ・ビョンホン。そう考えると、キムタクの映画が面白くなるのは、まだまだこれからなのでは、とわくわくする。

8月27日(月)
朝8時からのワイドショーで、水ト麻美アナウンサーと羽鳥慎一アナウンサーの元気な姿を見る。

毎年、日本テレビ「24時間テレビ」のあとに思うのだが、アナウンサーはじめテレビ業界のタレントやスタッフって恐ろしくタフだ。二人とも金曜日まで朝のワイドショーに別々に出て、土曜日から「24時間テレビ」の総合司会を二人で務め、そのあとの「行列の出来る法律相談所」にも生で出演し、今朝のワイドショーはまた別々。きっと、昼の帯番組をやっている南原清隆や坂上忍も同じようなスケジュールだろう。

水ト麻美アナウンサーは日本テレビ「スッキリ」でねぎらわれていたが、テレビ朝日「モーニングショー」の司会の羽鳥慎一アナウンサーは局が違うから誰にもねぎらわない。普通に「日常」をこなしていることに凄みを感じる。その世界の第一人者であることは、ここまで人の背中を押すものだろうか?

8月30日(木)
本日、乱切りステーキ200グラムを食べ「いきなりステーキ」の肉マイレージ、ゴールドカードメンバーに昇格した。

通算3000グラム食べると、カードがランクアップして来店ごとにソフトドリンクが一杯無料になり、誕生日には無料でUSリブロース300グラムが食べられる。もう死ぬまで自分は無料でソフトドリンクが飲めるのだ、毎年タダでリブロースステーキが食べられるのだ、と思うと静かな喜びを感じる。今年の暑い中、多少、無理して3回店に通った甲斐があったというものだ。

という喜びを、校了中の「新潮」編集部の同僚に話したのだが、思ったようなリアクションがなくて、さびしい。チクショー、うらやましすぎて、素直に反応できないのかな?

この日記を読んだ「Webでも考える人」編集部のみんなはきっと一緒に喜んでくれるにちがいない。

8月31日(金)
神楽坂ラカグにて、円城塔さん山本貴光さんの対談「文字の起源、文字の未来」を見に行く。円城さんの新しい小説『文字渦』の刊行記念イベントだ。

この小説、なんと文字が主人公の連作ファンタジー小説集である。例えば、川端康成文学賞を受賞した表題作は、秦の始皇帝が自分のために築いた陵墓を囲むように配置された陪葬坑(ばいそうこう)が舞台となっている。そこに収められた陶俑(とうよう)づくりの名人が、始皇帝に難題を与えられたことがきっかけで生まれた文字にまつわる話。とても現実にはなさそうなふざけた漢字がいくつも出てくるが、どれも実際にある漢字なのだという。

そんな文学の極北を極めた円城さんへの、山本さんのインタビューが素晴らしかった。山本さんの視線はいつも深くて広い。落ち着きがあって、下準備がされているが、その場の方向性はいつも自在である。決して人を威圧しない。山本さんや吉川浩満さんの仕事を見ていると、ディドロやダランベールらの百科全書派という言葉を思い出す。

この二人の出会いの場を作ったのは、「考える人」2013年8月号「数学は美しいか」。山本さんが大阪に出向いて円城さんに数学者についてインタビューした。当時そこに付き添った「考える人」編集部のTさんが、本の雑誌社に移って編纂したのが、刊行されたばかりの山本貴光さんの新刊『投壜通信』で、この日、Tさんにいただいたのだが、この本がこれまたすごい。タイトルはパウル・ツェランからか。書評集と聞いていたが、書評と本のマッピングと書物への愛情に満ち溢れた複雑な構造の何か、になっている。

『文字渦』についての書下ろしの文章も収録されているし、つい先月2018年7月の1か月に何冊の本を購入し、何を思ったかという、読書日記というか書物入手日記がもう収録されている。その数1か月で238冊。とてもかなわない。

奇書が奇書を呼ぶ。
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