対談 檀ふみ×酒井順子 ららら「火宅の子」――娘から見た父、そして母

「家族」特集の企画を考えているとき、まっさきに酒井順子さんに連絡を取りました。独身、結婚、少子化といった問題についてクールかつユーモラスな文章を書いてこられた酒井さんは本特集に不可欠だと思ったからです。
 打合せの際、酒井さんから「……実はぜひ檀ふみさんと『火宅の子』対談をしたいのです」と切り出されたときにはたいへん驚きました。酒井さんのお母様が結婚後も恋愛を重ねる、いわば「火宅の人」だったとは初耳だったからです。それもそのはず、今までどこにも発表していないとのこと。
 檀ふみさんにすぐ打診したところご快諾いただき、「火宅の子」対談の実現となりました。

 檀さんのお父様(作家・檀一雄氏)、そして酒井さんのお母様の絢爛なる(?)恋愛遍歴は本誌でお楽しみ頂くとして、その様子を淡々と、時にはうらやましがりながら楽しくお話しするおふたり。よそに恋人を作ってしまったお父様、お母様へのネガティブな感情はないのかお訊きすると、〈私は父に嫌悪感を抱くことは不思議とありませんでした〉(檀さん)、〈私はシンプルに、あれだけモテてすごいって尊敬しています〉(酒井さん)とのこと。実にあっけらかんとしています。

 親の不貞を娘の立場から語るという、ともすると暗くなりがちなテーマですが、意外なことに読んでいくとかえって親子の愛情や絆を強く感じられる対談です。