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「新潮45」問題をめぐって高橋さんに急遽ご執筆いただき「新潮」に掲載した記事を、Webでもお読みいただけるよう当サイトに転載いたしました。先週に続いて第1位です。
父の命日に。中学時代に亡くした父と兄への思いと、その死に今の自分が「生かされている」という実感。最後の段落の静かな言葉がずっしりと響きます。
元気になって退院した村井さんに特筆すべき変化が。《自分でもにわかに信じがたいのだが、まったくお酒を飲んでいないのだ/あれほどガブガブ飲んでいた私が、お酒を飲まなくなるなんてッ!》
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仏像ブームを牽引し、『マイ仏教』の著書もあるみうらじゅんさんが「仏教伝道文化賞 沼田奨励賞」を受賞したことを記念して、インタビュー「優しくたって、構わない」を掲載しました。

みうらじゅんさんは、小学4年生の時に仏像の魅力に開眼。いとうせいこうさんと全国の仏像をめぐる『見仏記』シリーズ(KADOKAWA)、『アウトドア般若心経』(幻冬舎)、『マイ仏教』(新潮社)といった仏教をテーマにした著書があり、近年は寺院や展覧会での講演など、仏像関連のイベントに引っ張りだこ。自らの造語である「仏像ブーム」を牽引したその貢献が認められ、今回の受賞となりました。

贈呈式では、「仏像の新しい鑑賞方法を伝えて、それを入口に最終的に仏教の魅力にたどりつけばいいなと思ってやってきました。それがムダではなかったなと、大変嬉しく思っています」と語ったみうらじゅんさんに、あらためて仏像や仏教の魅力についてうかがってみました。

昔はよく偉いお坊さんに「仏像を見て、『グッと来る』とは何事だ!」と怒られていたみうらさんが、いかにして仏教界に認められてきたか。みうらさんの対象を愛しぬく視線にうたれます。

『マイ仏教』の「まえがき」も掲載しますので、未読の方はこの機会にぜひお読みください。

10月21日(日)
村上RADIO〜秋の夜長は村上ソングズで」(FM東京)を聴く。今回が2回目の放送。アレサ・フランクリンが歌う脱構築的な「MY WAY」からマルーン5の昨年の新曲「ウイスキー」まで、聴いていてうきうきする選曲だ。「ウイスキー」は春樹さんが自分で訳詞を作って読み上げた。この楽しさ、なんだろう?

1回目は、村上さんがこういう番組をやるということ自体の話題性が主役だったが、2回目になって、時流や何らかの宣伝とまるで関係なく、好きな曲が雑多にかけられることの面白さを強く感じる。人の家にお邪魔して居間のレコードケースを見ているときの楽しさ。

1970年生まれの私の世代は、様々なものの見方に関して村上春樹さんに強い影響を受けているが、中でも大きいのがこの音楽への強い愛情と楽しみ方だと思う。私がポップス、ロック、ソウル、ジャズ、クラシックと幅広く音楽を聴くのは、完全に村上春樹さんの影響だ。

当時、春樹さんの本を読んで、大人になったらこういう風に音楽を聴きたいと思ったように、今、音楽を聴いている。

10月23日(火)
坪内祐三さんの『昼夜日記』を読む。

「本の雑誌」で連載中の「読書日記」と、「小説現代」で2016年9月号まで連載していた「酒中日記」を合体させたもの。2014年6月からの日記は、二段組みの上段は昼の「読書日記」、下段は夜の「酒中日記」と別々のテクストが並んでいて、坪内さんの人生の二つの側面が分裂して描かれているような不思議な印象がある。

もともと私は、人の日記を読むのが大好きなのだが(書くのはそれほど好きではない)、特に坪内さんの日記本は楽しみにしている。興味があることが変わったり、行く店が変わったり。古い日記をたまに読み返すと、前に読んだときには気づかなかった細部に気づく。新宿や神保町の街が頻繁に描かれる。時代の定点観測だ。

10月24日(水)
進行のSさんに「松村さん、『まんぷく』見てるんですよね。私もはじめて朝の連続テレビ小説にはまってるんですけど、長谷川博己、すごく艶めかしくないですか」と言われて、おのれの不明を恥じる。

長谷川博己は主人公・福子(安藤サクラ)の夫・立花萬平役。安藤サクラとコンビネーションがいいし、演技がうまいとは思っていたが、さほどエロチックには感じていなかった。

細かく聞くと、たとえば、

・拷問で内臓を痛めた浴衣姿の萬平の柳腰を福子が揉み、そのあと仰向けになって萬平が福子に小さな声で「おいで」という場面、
・電気をひくため眼鏡のつるを口にくわえ萬平が作業をしている場面、

そういう仕草がたまらなく艶めかしい。これはおそらく役者として狙ったものではなく、長谷川博己の天性のものではないか、とのこと。

なるほど、自宅で録画を見返してみると、確かに長谷川のたたずまいが色っぽい。安藤サクラとの目線の絡み合い方ひとつとってもとてもいい。

考えてみれば、朝の忙しいときに見るドラマというのは、ストーリーラインや主役の女優だけでなく、一瞬、テレビ画面が目に入ったときに、主人公の相手役の所作が素敵かどうか、そういう要素が思いのほか重要な気がする。

10月26日(金)
月に一回、高血圧の薬をもらいに病院に行く日。高血圧と緑内障という持病を抱えていて、高血圧の薬を出してくれる内科に月に一回、緑内障の目薬を出してくれる眼科には二か月に一回通っている。

共におそらく一生つきあわないといけない病気だと思うと、ときどき残りの人生のランニングコストを計算する。眼科で目薬と診断あわせて大体約3500円、年間で21000円。内科で大体約3500円、年間42000円。仕方ないけど、結構かかっているものだと思う。

なんかこういう持病の通院だと、毎月、医者とものの1分も話してない。「どうですか?」「順調です」「血圧は?」「上はいくつ、下はいくつ?」「それでは同じ薬出しておきます」で終了。それで診察代が1470円とかだと、「あれ?1分で1470円」とか思ってしまう。

昔は、体格が太めの割には健康診断で異常がない、というのが自慢だった。長年つきあっている作家の方に「いいなあ、松村さんは体格いいわりに、病気ないんだもんね」などと昔のモードで言われると、もう高血圧と緑内障になってしまったんです、とは言えず、「はい、そうなんですよ〜」と話をあわせてしまう自分が恥ずかしい。
 
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