今年3月、シリア北部。故郷へと戻ってきた子どもたち。


 シリアで3年4カ月にもわたり拘束されていた安田純平さんが解放され、帰国した。様々な声が飛び交っているものの、まずはご家族との時間を大切に、ゆっくり心と体を休めてほしいと思う。
 この事件後に、何度か学生さんたちに向けて講演をする機会があった。質問時間に必ずといっていいほど投げかけられたのが、「辛い仕事なのにどうして続けているんですか?」「苦しいときはどうやって乗り越えているんですか?」という言葉だった。
 人質事件などが大々的に報道されると、ジャーナリストは危険で苦しい仕事、というイメージが益々強くなる。ましてや「危ないところに自分から行ったのだから自己責任」というバッシング、切り捨てるような言葉が飛び交えば、この仕事を目指したいと思う若者はいよいよいなくなってしまうかもしれない。
 ただ、これだけは言い切れる。この仕事は辛いだけの仕事ではない。特に写真は、絶対に現場に行かなければ撮ることができないものだ。つまり、人に会うこと自体が仕事だといえる。厳しい現場を目の当たりにしながらも、それを上回る喜びがあった。子どもたちの成長や、少しずつでも日常を取り戻す人々のたくましさに、心を震わしながらシャッターを切った。
 そんな現地で出会った方々からの“頂きもの”を、これからも持ち帰り、分かち合っていきたいと思う。

9月、イラク北部、クルド自治区。難民キャンプで暮らす子どもたち。