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双子の息子さんがもうすぐ小学校を卒業することに対する、喜びと寂しさの入り混じった複雑な感情。お母さんたちを中心に共感の声が集まりました。先週に引き続き第1位です。
神話をめぐる期待の新連載、大好評だった第1回は「ゲームの中に出てくる神話の要素」でしたが、今回は「神話の中のゲーム」を取り上げています。
自伝的大河小説「流転の海」全9巻の完結を記念し、長年の愛読者・堀本裕樹さんを聞き手にたっぷりと語ったインタビューの、ディレクターズ・カット版です。
編集長 今週のメルマガ
 
今年編集部に加わった「一くん」に、最近読んで面白かった本を3冊選んでもらいました。以前、メルマガ767号で「三くん」に、792号で「Sさん」に3冊選んでもらいましたが、今回はシリーズ第3弾です。

編集部「一」のおすすめ本
今年の春に単行本の編集部から「Webでも考える人」に移ってきました「一」です。前の部署では主に小説の編集をしていましたが、今回は小説以外の本を3冊選びました。いずれも「おじさん・おじいさんと家の本」です。私事ですが12年ぶりに引っ越しをすることになり、家のことを考えることが多かった時期にめくっていたのがこの3冊です。
 
巻頭に、庄野さんが暮らした「生田の家」の写真がカラーで多数収録されている。窓の外に見える鳥の餌台、きれいに削った鉛筆の山、ちらし寿司の映えるすし桶……。SNSに流れてくる「ライフスタイル写真」みたいなものとは何かが決定的に違う。といっても写真集ではなく「作家案内」の本で、丁寧に工夫された全著作案内と年譜のほか、ご家族による文章、庄野さんがご家族を描いた鉛筆画も収められている。大ぶりで口絵の入った造本は、新刊なのに懐かしい感じがする。一目見て欲しくなり、すぐ買った。

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ノルウェー・オスロの住宅街で、小さな工務店をひとりで営む大工の日記。建物に触れることを通じて広がる人々の暮らしへの洞察のほか、フリーランサーとしてのライフハック的なところもひとつひとつ読み応えがある。「建物は、日々の生活の上で必須でありながら、同時に重要なものではない。だからこそ大聖堂が全焼しても、人命さえ失われなければ、『良かったね』と言えるのだ」。時々はっとするようなことが小声で語られる。細身で手触りのある装幀もかっこいい。

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滝口悠生さんが薦めてくれた本。定年退職してまもなく妻を亡くし、息子夫婦と同居することになった主人公が、妻の残したノートを頼りに家事を始める。新しい家族との暮らし、そして亡き妻とのかつての暮らしについて、小さな発見をする日々。過去の記憶と現在の体験が重なり合う語りが巧みで、家事のあれこれが男性の高齢者の視点で描かれるというのもすごく良い。「心温まる良い話」に流れそうになると苦いユーモアで混ぜ返す感じも良い。

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11月26日(月)
当サイト編集部・進行のSさんと話していてショックを受けた話。

このサイトを牽引してくれているSさん、彼女はもともと文芸編集志望で、入社前から「新潮」に憧れていたそうだ。2004年の「新潮」創刊100周年記念のジュンク堂書店でのイベントにも来てくれて、その打ち上げの時に一緒に話をした。翌日にわざわざ、昨日は楽しかったです、とお礼を言いに来たのもよく覚えている。

その後、「新潮」の隣だった「旅」編集部に配属された時も、すれ違うと挨拶したし、感じのいい編集者だな、と陰ながら応援していた。

はじめてちゃんと一緒に仕事をしたのは、彼女が雑誌「考える人」に配属され、2015年に池澤夏樹さんの「科学する心」の担当になり、池澤さんを囲んで一緒に食事をしたとき。その後、ほかの席でもよく会うようになり、昨年4月からは彼女の上司になった。

私は、格別親しかったわけではないけど、ずっと顔見知りだったという認識だったのだが、先日、彼女と話していたら、 「松村さんと話したのって池澤さんとの会食の席が最初ですよね?」
「えっ、ずっと前から話してるよ、「新潮」100周年イベントの打ち上げ覚えてない? 隣に青山真治さんや野中柊さんがいてさ」
「ええ、そのイベント覚えてます。青山さんや野中さんがいたのは覚えてるんですけど、松村さんいましたっけ?」

いたよ! 目の前の席だよ!

11月28日(水)
そんなSさんから教えられた、堀越英美『不道徳お母さん講座: 私たちはなぜ母性と自己犠牲に感動するのか』を読んだ。タイトルがすべてをあらわしているが、いかに「道徳」の時間に母性幻想や自己犠牲に感動を強いる教育がされているかをあぶりだす。

なんとなく、堀越さんはどこかの大学の先生かと思って読んでいたのだが、違うんですね。何かのイメージを押しつけられることにゆるやかに抵抗する、新しいタイプの書き手だ。自分の言葉と思考でふとおかしいと思うことをとらえようとしている。

堀越さんが翻訳した『ギークマム』も面白かった。コミック、SF、サイエンスなど、幅広くテクノロジーや空想の世界を愛し、我が子と分かち合いたいと思っている「ギーク」なママと家族のための本。当たり前だが、オタクなママもいるし、そこにも教育がある。未読だが、この延長線上に新刊の『世界と科学を変えた52人の女性たち』(レイチェル スワビー著、堀越英美(訳)があるのだろう。

11月29日(木)
新潮2019年新年号の最終校了日。出社前に、お茶の水の出版健保でインフルエンザ予防接種を受ける。予約すれば、無料で予防接種が受けられるのだ。

そのあと、神保町の讃岐うどんの名店「丸香」で昼食。最近、神保町に行くと、ついついこの店に並んでしまう。今日の行列は15分ぐらいですんだ。

「釜たまカルピスバター」の中盛に、ちくわ天を頼んで、860円。なんともいえぬ出汁醤油のうまみと麺の喉越し。粗挽き黒胡椒の味が後をひいて美味しい。

隣に座っていたポニーテールっぽく髪をまとめたバイカー風の中年男性が、よほどこの店に来るのが楽しみだったのか、感無量な顔をして、メニューを見て10分ぐらい考え込んでいる。お店の人が何度注文をとりにきても「もう少し考えさせてください」の一言で追い返す。

それだけ考えに考え抜いて頼んだ男の魂の注文は、釜たまうどん、ちくわ天、かしわ天、だった。なんだ、けっこう普通じゃない!
 
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