「地球に食料を、生命にエネルギーを」をテーマにした食の万博(国際博覧会)が、イタリア・ミラノで10月30日まで開幕中です。日本館では、普段は「有毒部位がある魚」として輸入が規制されているフグが、万博の「特例措置」として山口県下関市から初めて持ち込まれたり、7月には貴重な「特産松阪牛」が欧州デビューして振る舞われる予定であるなど、日本ならではの食材で観客をもてなしているようです。

 その日本館の展示を企画監修する一人である文化人類学者の竹村真一氏は、和食は美味しくて体に良いだけでなく、地球全体の食料問題を解決するためのソリューションを提案できる「未来食」だと語ります。「考える人」春号では、ミラノ万博に先駆けて、竹村氏のお話を伺いました。

 京都造形芸術大学教授で、Earth Literacy Program代表でもある竹村氏は、生物多様性をはかりながら土壌改善もできる水田稲作の環境へのやさしさや、エネルギー効率の良い大豆の活用法、科学的利点が立証されつつある「だし文化」の意義など、和食には大きな潜在力があると説きます。ただ、現代を生きる私たちは「和食の伝統」というバトンを落としかけているのではないか、という危機感も同時にもっています。このバトンを落とさないために何をすべきか。世界にバトンを渡していくにはどうすれば良いのか。竹村氏へのインタビューをぜひお読みください。