東京近郊 スペクタクルさんぽ

第7章 世にも奇妙な素掘りトンネル

宮田珠己

〈まさに驚異、と申しますのは、収穫場面の展開する地下世界から戻ってきたかれは、われらが半球では冬の寒冷が持続しているのを発見したのです。〉これは1209年から1214年にかけて書かれたティルベリの……

 

安田菜津紀の写真日記

沈黙ではない道を選ぶ
イスラエル、パレスチナに生きること

安田菜津紀

静まり返った小路に、時折遠くから爆発音が鋭く響いてくる。爽やかな晴れの日の午後に不釣り合いな緊張感が、街を覆っていた。ヨルダン川西岸パレスチナ自治区の最大都市、ヘブロン。イスラムの安息日である金曜日の……

 

南直哉 『超越と実存 「無常」をめぐる仏教史』

南直哉『超越と実存 「無常」をめぐる仏教史』試し読み

南直哉

なぜ私は仏教を選んだのか? なぜ仏教でなければいけなかったのか?仏教のどこに惹かれたのか――。曹洞宗の総本山・永平寺の門を叩いてから30年余。「恐山の禅僧」南直哉師が、出家以来ずっと続けてきた仏教探求……

 

「能を知りたい!」シリーズ

「能の楽しみ方」後編 ~安田登×内田樹×いとうせいこう

安田登,いとうせいこう,内田樹

『能〜650年続いた仕掛けとは』(新潮新書)が好評の能楽師、安田登さん。主催されている「天籟能の会」の公演のなかで、内田樹さん、いとうせいこうさんと能の楽しみ方をテーマに語り合った。それぞれ能の……

 

安田菜津紀の写真日記

素敵な大人とはなんだろう

安田菜津紀

ラジオなどを通してニュースにかかわる仕事をしていることもあり、とりわけこの1カ月、あまりに慌ただしく、揺さぶられる情報がふりかかってくる日々だった。セクハラ問題、日報、公文書改竄、と国内問題だけを……

 

未来を思い出すために

Vol.2 「この感じ」の環世界

ドミニク・チェン

最も深い記憶の層にあることを思い出そうとすると、3歳くらいの時には、ほとんどフランス語を話した記憶が残っていないことに気がつく。生まれてから幼稚園に通うようになるまで、私は家で日本人の母と過ごして……

 

御つくりおき――京都のひととモノとのつきあいかた――

15 大原の「Re:planter」村瀬貴昭さんに神様の住むテラリウムを植栽してもらう

入江敦彦

英語では園芸上手を称して「緑の指」を持っているといいます。とにもかくにも庭と植物が大好きな彼らにとって、これは相当に尊敬される才能。そこへいくとわたしの指なんざさしずめ黒か灰色、あるいはツメでも……

 

イタリアン・エクスプレス

新入社員の身だしなみ

内田洋子

新緑の季節。入学に入社、結婚に新居。心機一転、新しい生活が始まる。インターネットで<新入社員の服装>と検索すると、ずらりとお勧めの身だしなみが一覧となって出てくる。それは、日本のマナーのタグに読める……

 

安田菜津紀の写真日記

”りんご猫ちゃん”ってご存知ですか?

安田菜津紀

ひょんなことから家族の家に、猫ちゃんをお迎えする、という話が持ち上がった。小さな頃になりたかった将来の夢が「猫」だったほど大の猫好きを自負しながらも、一度も猫と一緒に暮らしたことがない自分にとって、……

 

『<映画の見方>がわかる本 ブレードランナーの未来世紀』文庫化記念対談

いま再びよみがえるカルト作!《後篇》~『ブレードランナー2049』と『ツイン・ピークス The Return』をめぐって~

町山智浩,滝本誠

町山:2017年夏に放映された、デヴィッド・リンチの『ツイン・ピークス』の25年ぶりの続編、『ツイン・ピークス The Return』はどうでしたか?滝本:とても面白かったですよ。ただ、日本での……

 

考える人メールマガジン

編集長が選ぶ今年の5冊・ノンフィクション篇(No.797)

考える人編集部

今年も年末になったので、昨年にひきつづき、今年読んだ本の中で、今までメールマガジンに取り上げられなかったけれど印象に残っている本を、ノンフィクションとフィクションそれぞれ5冊ずつあげていきたいと……

 

「反東大」の思想史

第1回 「東大的なもの」との戦い

尾原宏之

ときどきTVでラグビーを観ます。ザッピング中にたまたまやっててほかに観るものがなければ程度の興味ですが。というか正確にはラグビーを観るのではなくラグビー選手を観ている。いや〝ウホッ〟な目で眺めている……

 

「Webでも考える人」トークイベント

「虫との大切な時間」池田清彦×養老孟司 前編

養老孟司,池田清彦

稀代の虫好きとして知られる養老先生。なんと「虫塚」を鎌倉の古刹、建長寺に建立した、というのは好事家の間では既知のこと。毎年6月4日には法要を行なっており、その際に講演会も開催。1回目は文化人類学者の……

 

イタリアン・エクスプレス

プロセッコを飲みに行きませんか

内田洋子

気晴らしに、近所を歩くことにした。犬と回る。嗅いだり、しっぽを振ったり、唸ったり。リードに引かれるまま、普段は通り過ぎる横道に逸れた。数年ぶりに曲がった道沿いに、知らない店が開いていた。飲食店らしい。……

 

岩松了ロングインタビュー(聞き手・柴田元幸)

岩松式戯曲のつくり方

岩松了,柴田元幸

今年、被災地をテーマにした新作戯曲『少女ミウ』『薄い桃色のかたまり』を公演して話題を集めた劇作家・岩松了、東京乾電池時代からのファンを自認する英文学者・柴田元幸。この両氏が出会ったきっかけから影響を……

 

能が知りたい!「古典の森へようこそ」

第1回 スローリーディングのすすめ

安田登,山本貴光

能楽師、でありながら古典に造詣が深く、「論語」からシュメール語の神話まで縦横無尽に読みこなす安田登さん。お相手の山本貴光さんはといえば、『考える人』誌面での読書ガイドには必ずご登場いただいてきた……

 

イタリアン・エクスプレス

日曜日の注文

内田洋子

イタリアでの毎日は、<起床><朝食><犬を連れて散歩><バール(でコーヒー)><キオスク><公共市場>巡りに、<書店>へと続く。勤め人ではないので、時間割は思うがままだ。映画や演劇にも行けるものなら……

 

おかぽん先生青春記

本を読ませすぎてはいけない

岡ノ谷一夫

慶応義塾大学文学部では、1年生は日吉キャンパスで一般教養を学ぶが2年生になると田町の三田キャンパスで専門課程に進む。日吉と三田とは徒歩も入れると1時間以上かかる。ギター部の練習は毎週土曜で、月に……

 

リアルRPG 草原の国キルギスで勇者になった男の冒険

マキシムス、君に決めた!

春間豪太郎

キルギスに到着したおれはまず、キルギスで働いている日本人の友人と首都ビシュケクで再会を果たした。彼女の目と雰囲気は女優の石原さとみにどことなく似ているので、今後彼女のことはさとみさんと呼ぶことにする……

 

AI時代を生き延びる、たったひとつの冴えたやり方

プログラミングは数学だ!

竹内薫

長きに亘ったこの連載もいよいよ最後である。まとめに入るとしよう。いまさらだが、そもそもコンピュータ・プログラムとは「何」なのか。その本質に迫ってみたい。端から見ていると、小学校1、2年生の……