村井さんちの生活

突然の入院騒ぎ その1―Confidence is silent.―

村井理子

歩いているだけで息が切れてしまい、愛犬ハリーの散歩に行くことが出来なくなって三日目。強い疲労感をどうすることもできない。時間外ではあったけれども、近所の大きめの病院に駆け込む。胸部レントゲンを撮影し、……

 

対談 阿古真理さん×村井理子さん
私たちは「ダメ女」なのか?

第1回「野菜炒めでいいよ」って何?

阿古真理,村井理子

昨秋発売された、生活史研究家・阿古真理さんの『料理は女の義務ですか』が好評だ。夫婦間の家事分担をめぐる論争が活発になってはいるが、現状はなかなかうまくいかない。本書のなかでも引用されていた、……

 

村井さんちの生活

突然の入院騒ぎ その2―Unleashing the beast―

村井理子

症状が安定したため、24時間の点滴と心電図が外れた。一気に自由度が上がり、快適になる。病院内を歩く自由も確保し、とうとう私をベッドに縛っていたものはすべてなくなった。日中は売店に行き、雑誌や……

 

川上和人×小林快次「鳥類学者 無謀にも恐竜学者と語り合う」 (2018年8月1日・於神楽坂ラカグ)

第1回 はじめは気に入らなかった

川上和人,小林快次

今、恐竜図鑑をひらくと、恐竜たちは色とりどりの羽毛をまとっている。鳥が恐竜の直系子孫であることは、最新の研究の結果、今や定説となっているのだ。今回、文庫化された『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』の著者、……

 

村井さんちの生活

突然の入院騒ぎ その3―No pain, no gain.―

村井理子

朝一番の巡回で、看護師さんが「気分はどう?」と聞いた時、待ってましたとばかりに「もうダメです」と答えた。看護師さんはびっくりしたような表情で、たった今、ノートパソコンに打ち込んだ、体温と血圧と脈拍のデータに視線を戻し、そして不思議そうに「え、そうなの?」と言った。……

 

村井さんちの生活

突然の入院騒ぎ その4―Smile because it happened.―

村井理子

昨日受けた、カテーテル検査の結果を繰り返し思い出していた。「血管には狭窄など一切なく、とても良い状態でした。でも、心臓のポンプ機能は、予想よりも低下していました」と主治医は残念そうに言っていた。「何も……

 

村井さんちの生活

心臓へたっちゃってますけど大丈夫 その1―Better late than never.―

村井理子

滋賀医科大学医学部附属病院心臓血管外科。前回心不全で入院した病院の主治医から転院を勧められた私は、この日、一人で滋賀医科大学までやってきていた。心臓血管外科の浅井徹先生の診察を受けるためだった。この日……

 

緊急寄稿

「文藝評論家」小川榮太郎氏の全著作を読んでおれは泣いた

高橋源一郎

9月21日・金曜日の夜、「新潮」編集部から電話がかかってきた。おかしいな、と思った。今月は締め切りがないはずなんだが。イヤな予感がした。おれは、少しの間ためらった後、電話に出た。案の定だ。「新潮45」……

 

村井さんちの生活

なぜだか傷ついてしまう

村井理子

息子の同級生の母たちにばったり出会うと、「そろそろやな」、「また行事が終わったな」と言い合うのが最近のお決まりになっている。長い人では保育園時代からの付き合いであるから、十年を超えて、互いの子どもの……

 

にがにが日記―人生はにがいのだ。―

第1回 2018年1月15日〜2月7日

岸政彦

昼から会議、そのあとゼミ、終わって夕方から研究室の本の整理。立ったりしゃがんだりするので、わざわざそのためにジャージのズボンを持っていった。前任校からここに着任するときにすでに本は3分の1ぐらいに……

 

村井さんちの生活

心臓へたっちゃってますけど大丈夫 その3―May the Force be with you.―

村井理子

入院4日目。手術に向けて、慌ただしくなってきた。朝の9時過ぎに、白いユニフォームを着た、とても礼儀正しい青年が病室に現れた。「リハビリ担当の東です」と彼は言った。「ここでは手術の翌日から患者さんに……

 

にがにが日記―人生はにがいのだ。―

第7回 2018年8月5日〜8月24日

岸政彦

そしてまた半月ぐらい空いていて、これではまるで夏休みのあほな子どもの日記の宿題みたいである。夏休みのあほなおっさんの日記の宿題である。7月21日(土)は大阪駅のルクアの上の蔦屋書店で、柴崎友香さんと……

 

川上和人×小林快次「鳥類学者 無謀にも恐竜学者と語り合う」 (2018年8月1日・於神楽坂ラカグ)

第2回 ワニと鳥と恐竜と

川上和人,小林快次

恐竜は、ワニと鳥の中間です。でも、ここから鳥、ここから前は恐竜と、その区別がハッキリつくわけではありません。原始的な恐竜は爬虫類に近いけれども、ちょっとずつ、ゆっくり鳥に近づいていって、鳥になっては……

 

村井さんちの生活

心臓へたっちゃってますけど大丈夫 その4―I’m alive! I’m alive!―

村井理子

「村井さん! 起きて~!」という声ではっと目が覚める。誰かが私の左手を握っている。目を開けると、エンジ色のシャツを着た女性が、私に呼びかけていた。「苦しくない? ほら、見て」と、私のベッドの斜め上、……

 

村井さんちの生活

心臓へたっちゃってますけど大丈夫 その2―When in Rome, do as the Romans do.―

村井理子

病院の朝は早い。六時前に、ヘッドボードに取り付けられた読書灯を、ぴかーっと顔に当てられ、有無を言わさず起こされる。「おはようございまぁす」と、看護師さんの声はとびきり穏やかでやさしいが、こちらは……

 

「仏教伝道文化賞 沼田奨励賞」受賞記念インタビュー

第1回 カッコいいものは少数である

みうらじゅん

2018年10月4日、東京都港区芝にある仏教伝道協会にて、第52回仏教伝道文化賞の贈呈式が執り行われた。同賞は、「仏教関連の研究や論文、美術や音楽、仏教精神を基に活動する実践者など、幅広い分野にて……

 

村井さんちの生活

心臓へたっちゃってますけど大丈夫 その5
―Love is everywhere―

村井理子

看護師さんたちに両脇を抱えられ、一気にベッドから立ち上がった。管やコードが束になって体からぶら下がっているというのに、予想以上に体は動いた。むしろ、自分でも驚いてしまうほどあっさりと立ち上がり、……

 

未来を思い出すために

Vol.1 「はじめ」と「おわり」の時

ドミニク・チェン

一生の間には、それまで蓄積されてきた経験の皮膜が一度に無化し、未知の時間が始まる予兆の密度が高まり、時空がただ一点に圧縮されるような瞬間がある。それはいつも、なにかの「はじめ」であると同時に「おわり」……

 

リアルRPG 草原の国キルギスで勇者になった男の冒険

さあ、冒険をはじめよう!

春間豪太郎

2017年の夏、おれは中央アジアのキルギスへ向かうべく、上海発の中国横断列車に揺られていた。座席数を遥かに超える数の中国人が、おれの周りを埋め尽くしている。座席にありつけなかった多くの人々は、床に……

 

第十七回 小林秀雄賞

受賞インタビュー「思想には仏教と仏教以外しかない」

南直哉

――南さんのプロフィールには「福井県にある霊泉寺の住職、そして青森県にある恐山菩提寺の院代(住職代理)をつとめる」とあります。僧侶として、それぞれの場所でどのような活動をされているのかについて……