10月3日発売の秋号では、宇宙を特集しました。

7月中旬、NASAの探査機「ニューホライズンズ」が地球から48億キロ離れた冥王星に最接近。地球を出発してから実に9年半の長旅でした。さらに同月、日本人宇宙飛行士・油井亀美也さんが国際宇宙ステーションに到着。日本の補給船「こうのとり」のキャプチャに成功しました。こうした華々しい成功譚の陰には、宇宙開発の劇的な進歩や研究者のたゆまぬ努力があります。それでもなお、宇宙は解き明かせない謎だらけ。そして、わからないからこそ、面白い。秋の星空を眺めるお供となる一冊となりました。

巻頭は、東大カブリ数物連携宇宙研究機構の村山斉機構長と、本誌連載でもお馴染みの病理医にして宇宙飛行士・向井千秋さんの夫、向井万起男さんとの対談です。素粒子から宇宙の謎に挑む村山さんと、人体という小宇宙に向き合ってきた向井さんのお話は、わかることの喜びや世界観が変わった経験、あるいはダークマターの正しい訳語に至るまで、実に多岐におよび、知的興奮に満ちたものとなりました。

この他、JAXAに聞いた「日本の宇宙開発Q&A」、国立天文台副台長・渡部潤一さんが語る「星空浴」のすすめ、国立極地研究所隕石キュレーター小島秀康さんが語る隕石の魅力、マンガ解説者・南信長さんが紹介する宇宙マンガの数々、本気で地球外生命体とのコンタクトを模索するアメリカSETIのマーガレット・レイス研究員が問いかける“未知との遭遇”への不安と希望、作家・津村記久子さんが心ひかれる「宇宙エレベーター」、作家・森博嗣さんの「宇宙少年」だった頃の思い出……などなど盛りだくさん。ミュージシャンの細野晴臣さんは、空気がなければ存在できない音楽は、まさに地球の大気の産物であることに気づかせてくれます。あるいは、スーダンからやってきた盲目の学者、モハメド・オマル・アブディンさんにとって見ることのできない宇宙とは何なのか……ぜひ、秋号でお読みください。