『高山蝶』『山の紋章 雪形』『黄色いテント』などの写真集、著作で知られるナチュラリスト、田淵行男さん(1905-1989年)の作品集が、今年、開館25周年を迎えた田淵行男記念館から刊行されました。モノクロームのみで構成する新しい作品集で、館蔵の72,000点に及ぶ原板から120点あまりの作品を選び、編集したのは、田淵さんを師と仰ぐ写真家・水越武さん。写真集には、1960年代を中心にした安曇野の里の風景と、田淵氏のフィールドであった蝶ヶ岳や常念岳など北アルプスの山々、そして雑誌などで発表されたまま、その後目に触れることのなかったエッセイなども丹念に蒐集して掲載されています。

今回、水越さんは「可能な限り、写真集などの著書に取り上げられなかった新しい写真(モノクローム)と文章で編集」したと記しています。古本市場でも田淵さんの写真集は高価で、なかなか手に入りにくくなっていますが、未発表のネガから焼いたプリントを原稿に、新たに編集された写真集は、田淵さんのファンにも、田淵さんを知らなかった方々にも、とても新鮮で魅力的な一冊になっています。

「考える人」2015年秋号に、ごくごく一部ではありますが、その魅力を紹介しました。雪を頂いた後立山連峰を背景に佇む道祖神、青木湖畔の茅葺きの集落、そして常念岳の勇姿……安曇野を、そして北アルプスの山々を愛した田淵さんの厳しく、時に優しい眼差しが、半世紀を経て甦ってきます。

この写真集、一般の書店では販売されていません。田淵行男記念館、安曇野市豊科近代美術館の各ミュージアムショップでのみ、販売しています。問い合わせは下記まで。

問い合わせ
田淵行男記念館
〒399-8201 安曇野市豊科南穂高5078-2
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