小さいころ、「宇宙飛行士になりたい!」「宇宙に行ってみたいなあ」と憧れの気持ちを抱いていたという人は多いかと思います。宇宙へ行くことがぐっと身近になった今の子どもたちにとっても、宇宙は変わらず、いや、ますます興味の対象になっているようです。
 ロケット発射場があることで有名な種子島(たねがしま)の南種子(みなみたね)町。ここでは毎年全国から1年間里親さんのおうちに住み込んで地元の小学校に通う「宇宙留学制度」を実施しています。その注目度は年々高まるばかりです。

 今回の特集では、南種子町立花峰小学校で宇宙留学制度の様子を取材しました。全校児童数10人という小規模校で、うち地元の子どもは4人、“宇宙留学生”が6人です。先生を含め、みんなが大きな家族のような雰囲気のなか、子どもたちがのびやかに過ごしています。通常の小学校と違うのは、廊下に額縁に入ったロケットの写真がずらりと掲げられていたり、星出彰彦宇宙飛行士のサイン色紙が飾られていたりするところ。子どもたちと会話していても「ロケットのフェアリング(人工衛星などを保護するための先端部分)が……」といった単語が頻出して、教育委員会の方が言った〈日本でいちばん宇宙に詳しい子どもたち〉というのも、あながち誇張ではなさそうです。

 さて、南の種子島から今度は一路、北へ。北海道は夕張市の近く、赤平市にある「植松電機」さんにお邪魔しました。従業員18人で、宇宙ロケット開発を手掛けている企業です。本業はリサイクル用マグネットの製作・販売。なぜ“副業”でロケット開発を? そんな少人数でできるの? それは、植松努専務がどうしてもなくしたい、ある言葉がきっかけでした。 
 取材当日は、札幌市内の小学生約30名がロケット体験教室に参加しに来ていました。取材者もまじって体験教室でロケットを製作し、実際に打ち上げてみました。空を切り裂くような猛スピードで飛び立つロケット、子どもたちはもちろん、大人も我を忘れるほど興奮する体験でした。

 夢をかなえる一歩として、親元を離れて種子島でがんばる子どもたち。そして、植松電機の果てなき挑戦。記事を読んでいただくと、忘れてしまっていた熱い気持ちがちょっとよみがえるかもしれません。