米文学の第一人者であり、随一の人気翻訳家、そしてときにはエッセイの名手。そんな柴田元幸さんの新たな挑戦とはなにか? 
答えは、「字幕翻訳」です!

柴田さんが挑戦した映画は「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」。

12月5日から、シアター・イメージフォーラムほかで、全国順次公開中です。

このソール・ライターという写真家が、まあなにしろ、独特でおもしろいんです。今回のインタビューでもうかがったのですが、柴田さんがその魅力にひかれたというのもよくわかります。プロフィールをちらりとご紹介しておきましょう。

〈1923年、アメリカ・ピッツバーグに生まれ、1946年にニューヨークへ。その後写真に興味の対象を移し、ユージン・スミスらと知り合う。1948年からカラー写真を撮り始めファッション写真家として活躍するが、1980年代に入り第一線から姿を消す。写真集で世界的に定評のあるドイツのSteidl社から、作品集『Early Color』が2006年に刊行されると、80歳を超えての初写真集は大きな話題となり、「再発見」され熱狂をもって迎えられる。2008年のパリのアンリ・カルティエ=ブレッソン財団での個展を始め欧米各地で展覧会を開催。2013年没。〉

映画「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」は、熱心なファンであるイギリス人のトーマス・リーチ監督が生前に彼をニューヨークで追ったユニークなドキュメンタリー作品です。

名声とは一線を画したソールのユニークな哲学が訥々と語られて行く中に写真作品も複数紹介されており、何度も繰り返して見たくなる――そんな映画です。ぜひ。

今回の柴田さんへのインタビュー記事では、字幕をつくるプロ集団「アウラ」さんにもお話をうかがいました。字幕をつくる舞台裏の全貌がわかる記事となっています。

なお、「初の写真集はドイツ、ゲッティンゲンのシュタイデル社から。」――というわけで、シュタイデル社にご興味のある方は、映画「世界一美しい本を作る男」と「考える人」編集部による独自訪問記と合わせて、DVDブックになったこちらもぜひ。