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駅の張り紙にどう反応していいかわからない日。マッサージ店のBGMに笑いが止まらなくなった日。どら焼きを買った日。久しぶりの日記更新にアクセスが集中しました。
カラスは「基本、飼えない」。どうして飼えないのか? 飼ったらどうなってしまうのか? 狩猟の免許、飼育についての自治体の判断、大きさ、餌、等々…。先週に続いてランクインです。
九州に出張した松原さんは、なぜ遺跡に向かったのか? カシャカシャという鳴き声が印象的なこの鳥、日本では珍しいもののユーラシア大陸では街中でもよく見られる人気者だそうです。学名は「ピカ・ピカ」。
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ポルトガルの作家、ジョゼ・ルイス・ペイショットさんの『ガルヴェイアスの犬』(木下眞穂訳、新潮クレスト・ブックス)がこのたび、第5回日本翻訳大賞を受賞しました。1984年のある日、空から巨大な物体が落ちてきた、アレンテージョ地方の小さな村。その後の様々なできごとが、たくさんの村人たちの視点で描かれる小説。当編集部のSくんが担当した作品で、昨年11月に来日した際に開催されたペイショットさんと中島京子さんの対談「土地の記憶、犬たちの瞳」が当サイトに掲載されています。

日本翻訳大賞は一般読者の支援を受けて運営され、ウェブ推薦という形で読者が選考にも参加するという珍しい賞で、選考委員は金原瑞人・岸本佐知子・柴田元幸・西崎憲・松永美穂の5氏。1次選考、2次選考を経た今回の最終候補作品は、リチャード・フラナガン『奥のほそ道』(渡辺佐智江訳)、ウィリアム・ギャディス『JR』(木原善彦訳)、呉明益『自転車泥棒』(天野健太郎訳)、ハン・ガン『すべての、白いものたちの』(斎藤真理子訳)。この名作、名訳揃いの中、『ガルヴェイアスの犬』が大賞受賞作となった(『JR』と同時受賞)。木下眞穂さん、担当のSくん、お見事! そしておめでとうございます。

そして、雑誌「考える人」で連載されていた、池澤夏樹さんの『科学する心』。休刊後、集英社「kotoba」で連載が引き継がれ、このたび単行本として刊行されました。

自らを「アマチュアの科学ファン」と称する池澤さんが、ここ10数年間読んできた科学の本などから気になるトピックを取り上げ、抽象と具体の中間をいく思索を試みる、やさしい科学入門エッセイ。ウミウシ、進化論、原子力、『サピエンス全史』、パタゴニア紀行、話題は多岐にわたりますが、わかりやすい言葉で、科学の最先端に触れさせるこのタッチは池澤さんならではです。

4月8日(月)
噂には聞いていたが、井上荒野さんの長編小説『あちらにいる鬼』がとんでもなかった。

井上荒野さんの父は、「全身小説家」というドキュメンタリー映画の題材にもなった井上光晴氏。すでに、井上荒野さんには『ひどい感じ──父・井上光晴』という作品があるが、この『あちらにいる鬼』は、父親と瀬戸内寂聴さんとの不倫、そして母親を含んだ三人のなんともいえぬ「特別な関係」を描いたものだ。

井上光晴氏も奥様もすでに亡くなっているが、瀬戸内寂聴さんはご存命である。それどころか、「作者の父井上光晴と、私の不倫が始まった時、作者は五歳だった」という帯文まで寄せている(帯には「瀬戸内寂聴さん絶賛」の文字も躍る)。

視点人物となるのは人気作家の長内みはると、純文学作家・白木篤郎の妻・笙子。つまり井上荒野さんの父の視点ではなく、愛人と母の視点から書かれる。そして、みはると篤郎のみならず、笙子も「書く人」であったことから、この小説は想像もしない方向に展開していく。

「書く人」の業を強烈に感じさせる小説であり、そして、この小説自体も同じく「書く人」となった娘が業によって書かされたものだと思い当たる。ねじめ正一さんの小説の中で一番好きな『荒地の恋』のことを思い起こした(「荒地」のメンバーだった詩人の北村太郎が、田村隆一の妻と恋愛に落ちる話。豊川悦司と鈴木京香が演じるドラマも素晴らしい)。

恋愛を避けようのない宿命として描いた小説や、書く人の業に迫った小説は、傑作が多い。何かが犠牲となって、傑作が生みだされている。

4月12日(金)
前号のメールマガジンNo.812で、小社刊の『新潮日本古典集成〈新装版〉 萬葉集 二』で「令和」の典拠となった部分が読めること(p.61からp.62ページにかけて)、それが中国古典を踏まえたものであることも注でしっかり押えられてることを書いたが、この巻を担当したのは、なんと当サイトで「随筆 小林秀雄」を連載中の池田雅延さんなのだそうだ。ご本人から連絡いただいた。池田さんとは入社以来からの長い付き合いだが、「萬葉集」担当だったことは初めて聞いた。

1976年に『新潮日本古典集成』が刊行されることになり、小林秀雄に池田さんが推薦文を頼んだ際のことは、「随筆 小林秀雄」の最新回「五十五 頭の良し悪しとは」にも書かれている。

4月13日(土)
テレビ東京系のドラマ「きのう何食べた?」が想像以上にいい出来だ。「おっさんずラブ」の二匹目のどじょうを狙ったように見えなくもない企画だが、丁寧な仕事がそこかしこに感じられる。よしながふみの原作漫画のシンプルで心地よい日常感を見事に映像化している。

西島秀俊さんや内野聖陽さんの演技はもちろん見事だが、注目はこのキャステイングだ。ケンジに内野聖陽さんを当てるって誰が思いついたのだろう? 天才的な配役だと思う。
 
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