10月4日に発売予定の「考える人」秋号では、「異文化都市『京都』を楽しむ・考える」と題した総力特集を企画しました。いつも以上に多くの筆者の協力を得て、盛りだくさんの特集ができあがったと自負しています。そこで、今回から3回にわたって、特集企画の中からピックアップしてご紹介いたします。

酒井順子「京都、東京、清少納言」

「考える人」入魂の京都特集の巻頭は、生まれも育ちも東京っ子のエッセイスト・酒井順子さんの「岡惚れ京都紀行」です。
 酒井さんは、1966年生まれの37歳、独身女性。なんでも揃っていて不足のないわが街・東京を日々堪能しながら、東京という都会に生きる人々の生態を、20年間にわたり(酒井さんが最初の雑誌連載をもったのが高校生の時)容赦ない観察眼でつかまえ、すらりとすました「ですます調」、即妙な語彙と絶妙な論理で書き綴ってきました。
 その酒井さんが、30歳を過ぎたころから、妙に京都にひかれるようになった。気がつくと、暇をみつけてはいそいそと京都に通っている自分がいる。親しい京都の友人もできて、さらに拍車がかかる。昨夏などは、とうとう京都の某大学の学生となり、夏のスクーリングのため、と称して、ひと夏を京都ですごしてしまった……。
 自分という東京女にとって京都はなぜこうも魅力的なのか。
 そして自分ばかりでなく、京都好きの東京人が多いのはなぜなのか。
 酒井さんは、今回その「なぜ」について積極的に考えてみるために、勇躍二度京都に飛び、好奇心いっぱいにハードな取材をされました。
 そして、見えてきたものは……?
 6頁という誌面いっぱいに繰り広げられる、酒井さん一流の京都礼賛行を、お楽しみください。

はな「わたしが好きな仏像たち」

 趣味は何ですかと聞かれて、「お寺巡りです」とか「仏像巡りです」と答えるのは、なかなか勇気のいるものです。ある年齢までなら、まず「ジジ臭い趣味」と思われることでしょう。印象を別にしても、寺社仏閣巡りを「趣味」と言える境地になるには、幅広く深い知識が必要になる、ような気がします。
 ですが、絵画や映画鑑賞、読書などを趣味というときに、専門知識が期待されるでしょうか。趣味とは、もっといい意味でいい加減に、自分の独断と偏見に則って楽しむものではないでしょうか。
 そうはいっても……、と尻込みするあなたに朗報! 人気モデルのはなさんが、仏像の楽しみ方を教えます。お読みになればばお分かりいただけると思いますが、はなさんの仏像を見る視点はとてもユニーク。技法とか歴史的意味合いは二の次で、まず「好み」。男前の仏像に惚れ惚れし、ダーリンと想いを寄せる帝釈天とのツーショットに鼓動はばくばく。仏像の姿勢を発射間際のロケットに例えるなど、既成の概念とは無縁のところから、純粋に仏像鑑賞を楽しみます。
 一読、「なんだ、仏像を見るってこんなに楽しいことなんだ」と膝を打つこと必定です。ちょっと考え方を変え、気楽な心で接すれば、今までとは違った面が見えてくるはず。このページが、そうした切り替えへのささやかなヒントになれば幸いです。

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