世界に冠たる環境技術の先進国、日本から見ると、アメリカなんて、じゃんじゃん車に乗って排気ガスは出し放題、ゴミの分別なんてやっていないようなイメージがあります。しかし、カリフォルニア州は様相が違っていて、知事のシュワルツェネッガーがおよび腰の連邦政府をよそに数歩先を行き、独自の環境政策を推し進めています。ハイブリッドカーや三人以上乗っている車が道路の渋滞解消レーンを優先的に走ることができるというように、自治的な権限が強い州政府が次々と対策を打ち出しています。そういえば、日本以上に日本のメーカーのハイブリッドカーを目にするのは、ここベイ・エリア周辺ではないでしょうか。

 また、レジ袋禁止の動きもサンフランシスコや隣のオークランドで始まっています。サンフランシスコではすでに条例を制定。代わりに布の袋の持参かリサイクル可能な紙袋、植物など生分解性素材製の袋の提供が小売店に義務付けられています。アメリカ全土でも初の条例で、今年中にスーパーやドラッグストアなどの大型店から適用されていくといいます。

 大学でも様々なエコロジー対策が実施されています。スタンフォード大学大学院のコンピュータ・サイエンス学科で研究するネート君と、同じくマネージメント・サイエンス&エンジニアリング学科のブライアン君と、学生食堂で昼食を摂りました。ちょっとしたデパートのフード・コートほどの室内では、寿司からスパゲッティー、ハンバーガー、東南アジア風の麺まで様々な種類の食べ物が売られています。日本の「学食」よりは少し高級そうな雰囲気で、さて食べようとした時に目にしたのがCOMPOSTの文字。日本(風)の割箸に混じって、一見、普通のプラスチック製トレイや皿が窓ガラスに貼り付けてありました。

「コンポスト」とは「培養土、堆肥」という意味ですから、そのまま、ゴミとして捨ててから堆肥化されるということなのでしょう。透明な食器はトウモロコシから、スプーン、フォーク、ナイフなどのカトラリーはジャガイモ、そして弁当パックはサトウキビの繊維を加工して造られています。「エコ」に対しても最新鋭のバイオ技術を導入するアプローチの仕方に、スタンフォード大学のスマートさを感じました。

 でも、食べ物が盛り付けられるときの量は、ふつうのアメリカのレストランと同じ山盛り。食べきれずに残しても、分別する必要はありません。トレイと一緒に捨てるときの気分は「もったいない」でした。