ひとくちに、「病」といっても、重篤なものから、本人にとっては悩ましくとも他人からみればくすりと笑ってしまうようなものまで、様々です。冬号の特集では「私の一病息災」と題して、様々な方にエッセイを寄せていただきました。

歌人の穂村弘さんは、少しずつ視野が欠けてゆく緑内障とのつきあいを評して、「失明までの時間を刻む小さな砂時計がある」といいます。そして、この小さな砂時計の存在故に、「丈夫な目の持ち主よりも世界が少しだけ綺麗に見えているはずだ」と。

芥川賞作家の藤野千夜さんは、35年間、治ったことのないひどい肩こりとの腐れ縁について書いてくださいました。マッサージ師の資格を取った友人が体をほぐしながら言った言葉は「かわいそう かわいそう」。いったいどれほど固まっているのやら……。

保険会社に勤めるS氏、55歳は、睡眠時無呼吸症候群と男性更年期障害を患っています。病院に泊まり込んで検査すると、10秒以上の呼吸停止を1時間に50.5回。つまり60分のうち8分以上息を止めていたのです。加えて男性ホルモン・テストステロンの血中濃度は睾丸を切除した人並みに低かったといいます。夜中に息を止めている男性諸氏に読んでいただきたい一本です。

そして、直木賞作家の朝井リョウさんは、臀部のある不具合について書いてくださいました。ここでは詳しくは申しません。とにかく読んでください。お気の毒なことこの上ないのですが、笑いすぎて涙がでること必至です。