高校の数学教師からユング派心理分析家へと転じ、神話、昔話、子ども、母性社会などをテーマに数々の著作を発表、やがて文化庁長官もつとめるようにもなった。──と書き連ねても河合隼雄という大きな人をとらえることは到底できないような気がします。河合さんが亡くなられて約半年、新しい年を迎える前にもう一度河合さんにお会いし、お話をうかがいたい。そんな気持ちでこの特集を組むことにしました。

 まずは特集の全体を目次風にご紹介することにしましょう。

 対談 河合隼雄×小川洋子 「生きるとは自分の物語を作ること」

 ブックガイド たましいの森を歩く

 対談 河合隼雄×立花隆  「心という領域」

 座談会 加藤典洋 関川夏央 堀江敏幸 養老孟司
     「森の中で、大きな木が一本、音もなく倒れた。」

 追悼エッセイ 工藤直子    いつかまた……
        茂木健一郎   人生を何倍も経験して
        松岡和子    大笑いから始まった
        梅原猛     熱情の人、中空の人
        佐野洋子    大いなる母
        中沢新一    チェシャ猫は笑いだけを残して
        梨木香歩    河合隼雄という物語
        鶴見俊輔    独創的なものは京都から
        よしもとばなな 河合先生ありがとう

 インタビュー 樋口和彦    ユング研究所時代の河合さん
        乾吉佑     心理臨床ひとすじ

 河合隼雄 エピソード年譜