Kangaeruhito HTML Mail Magazine 122
 皆様、ありがとうございました。

 2005年冬号(特集「考える仏教」)で行った読者アンケートについて、ご報告したいと思います。小誌がこれだけきちんとしたかたちで行った読者アンケートは初めてです。アンケート・データの入力は専門の会社が担当しました。アンケート用紙を新潮社から運び出す際には、鍵の閉まる専用の鞄に入れて、二人がかりで搬送します。こちらから手渡す際にも、受けとる際にも、その度に責任者が書類にサイン捺印をしなければなりません。想像以上に厳重な取り扱いでした。最近は個人情報についての規程が大変厳しくなったのだということを、今回のアンケート集計で実感しました。

 今回は、アンケート項目のうち、数字で集計ができ、回答率が出るものをいくつかご紹介したいと思います。まず「考える人」を買ってくださる状況について。「定期購読している」と答えてくださった方が一番多く41.5%。その次が「毎号買っている」の30.2%。あわせれば何と71.7%の方が毎号買ってくださっている(!)という結果になりました。「考える人」の実売部数に占める定期購読者数の割合は約15%です。定期購読の方々がアンケートに積極的に協力してくださった割合が高かったため、今回のアンケートでは定期購読の回答率が押し上げられたようです。しかし、「毎号買っている」と答えてくださった方もやはり30%を超えていることからみても、「考える人」は本屋で何気なくパラパラと眺めてちょっと買ってみた、というよりは、わざわざ書店に足を運んで「考える人」をめざして買い求めてくださる方がとても多い、ということが見えてきます。

 それからどこでお買い求めになったか、という質問には、54.8%の方が「自宅近くの書店」と回答しています。「勤務先近くの書店」とされている方が18.5%であることからしても、最寄りの中小規模の書店でお買い求めの方が多いのだろうか、と想像します。最近は最寄りの中小規模の書店の閉店をよく目にし、耳にもします。私も会社員になる前は、本を買いに行くのは自転車で五分ほどの最寄りの小さな書店でした。毎日大量の本が刊行され、本のカバーするジャンルが多種多様になり、ベストセラーへの一極集中的な販売購買状況から考えると、小規模の書店が活性化するのにはどうすればいいのかは大きな問題だと思われます。しかし、徒歩や自転車で近所に本を買いに行く愉しさが消えてしまうのは、私たち送り手にとっても大きな問題だと思います。

 それから、編集部としてはぜひうかがってみたかった「考える人」の刊行サイクルについてです。「このまま季刊でよい」という回答が79.6%。「隔月刊(年6回)がよい」という回答が13.3%でした。

「考える人」のホームページをご覧になったことがあるかどうかについて。72.4%の方が「見たことがない」と回答しています。「よく見ている」と答えてくださったのは4.4%。メールマガジンを毎号読んでくださっている方は11.9%。新潮社のホームページのなかに、「考える人」のホームページはあります。最近の例で言いますと、過日、『天国で君に逢えたら』の著者である飯島夏樹さんが逝去されたことが報道された当日や翌日は新潮社のホームページにアクセスが殺到してページが開かなくなる事態がおこりました。新潮社のホームページへのアクセス数から考えると、「考える人」のホームページへさらに「お越しいただいている」割合がまだ少ないのだろうか、と思わないでもありません。

 趣味、余暇・休暇の過ごし方については複数回答で答えていただいたのですが、一位は断然「読書」をあげる方でした。これが88.5%。続いて音楽鑑賞が43.1%、美術鑑賞が31.1%、映画鑑賞が27.9%、そしてパソコン・インターネットは5位で21.8%でした。「考える人」を熱心に読んでくださっている方は、それほどは「パソコン、インターネット」漬けになっているわけではないのかもしれません。これらの数字は、個人的にも私のなかでの割合とほぼ重なる感じを覚えました。

 以上のように、数字だけでもいろいろなことが見えてくるような気がします。しかし、アンケート集計に入る前に一通一通読ませていただいて、いちばん感じたのは、「なんと細かくいろいろと書いてくださったことか」ということでした。つまり、数字として単純には集計のできない自由回答欄が、非常に強く印象に残ったのです。それぞれの手書きの文字自体が今でも具体的な映像となって頭のなかに残っています。自由回答欄についても分類した上での集計もしており、そこから見えてくる興味深いこともありました。次回はこの「自由回答欄」に寄せてくださった意見、感想などについてお伝えします。

「考える人」編集長 松家仁之(まついえまさし)
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