Webマガジン「考える人」

シンプルな暮らし、自分の頭で考える力。
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2004年2月26日

月刊「たくさんのふしぎ」2003年12月号(福音館書店) 「好奇心の部屋 デロール」 今森光彦 文・写真

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月刊「たくさんのふしぎ」2003年12月号(福音館書店)
「好奇心の部屋 デロール」 今森光彦 文・写真

「フランスの首都パリ。大通りから、すこしわきにはいったしずかな道を、ぼくは歩いていました。裏通りですが、洋服屋や雑貨屋、カフェなど、いろいろな店がひしめきあうようにならんでいます。
 そんな道すじのショーウィンドーの中にとつぜん、ライオンがいたのです。」

 ……と始まる「たくさんのふしぎ」は、正確には月刊の雑誌ということになるのでしょうが、本のつくりや内容は、絵本や写真集の感覚に近いものです。小学生を読者対象とはしているものの、「たくさんのふしぎ」では大人にも面白い、読みごたえのある数々の傑作が送りだされてきました。

 たとえば星野道夫氏の『アラスカたんけん記』、沢木耕太郎氏の「ハチヤさんの旅」など、それぞれの著者の作品を熱心に追いかけて読んでいる読者でも、その存在を知らないままでいるようなケースもあるのではないでしょうか(ちなみに星野さんのものは「たくさんのふしぎ傑作選」として単行本化もされています)。子どもを相手にしても、妙に猫なで声を出すのではなく、一人前の人間として扱いながら、著者のとっておきのテーマをやさしい日本語で届けてくれる、隠れた名作なのです。


 本書は、パリにある動物のはく製や昆虫の標本、化石などを売っている今から170年以上も前に始まったお店がテーマです。今森さんが密かに通い詰めたこの不思議な老舗を、目を輝かせながら紹介するこの本は、やはり今森さんの著作のなかでも、ちょっと特別なものになっています。そして読者に「いつかこの店にぜひ行ってみたい」という気持ちにさせる力を持っています。
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考える人とはとは

何かについて考え、それが「わかる」とはどういうことでしょうか。

「わかる」のが当然だった時代は終わり、平成も終わり、現在は「わからない」が当然な時代です。わからないことを前提として、自分なりの考え方を模索するしかありません。

わかるとは、いわば自分の外側にあるものを、自分の尺度に照らして新しく再構成していくこと。

“Plain living, high thinking”(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)*を編集理念に、Webメディア「考える人」は、わかりたい読者に向けて、知の楽しみにあふれたコンテンツをお届けします。

*産業革命後に急速な都市化が進むロンドンで、イギリスの詩人ワーズワースが書き遺した言葉。

 

 

「考える人」編集長 松村 正樹


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