Webマガジン「考える人」

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2018年12月21日

編集長がオススメする今年の5冊!《フィクション後篇》(No.749)

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初回から人気爆発の連載、第3回は日本でも熱狂的なファンの多いインド映画「バーフバリ」を詳しくとりあげます。たくさん出てくる神様の解説、そしてマハーバーラタとの対照表も!

女性蔑視、民族差別、集団リンチ――いくつもの重い問いを投げかける舞台に衝撃を受けた安田さん。「観劇から2カ月近くが経ち、ようやく少し、言葉にできた。それほど壮大な問いかけの詰まった舞台だった」。

樹木希林さんが「悠木千帆」さんだった頃にさかのぼる、交流の思い出。初期から晩年に至るまでの樹木さんの仕事を、古くからの友人としてたっぷり綴っています。

編集長 今週のメルマガ

小社のPR誌「波」に55回にわたって連載された小説家・津村記久子さんの「やりなおし世界文学」が、当サイトに引越しして連載を開始します。その第一弾を本日掲載しました。

今後も毎月、100%ORANGEさんのイラストとともにお届けします。最初にとりあげる本はこの季節にぴったり、チャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』です。

12月10日(月)
妻が読んで泣いたと聞き、吉川景都さんのエッセイ漫画『さよならわたしのおかあさん』を読んだら、夜中、自分も泣けてきて止まらなくなった。母親ががんで死ぬまでを描く。そう聞くと、いかにもお涙ちょうだいの作品を想像するが、この作品は違う。

2年前に肝臓がんだと診断されていた母親が、余命2週間と診断されてホスピスに入り、そして亡くなる。そのことを軸に、母親との過去の思い出や、母の闘病中に著者自身も不妊治療や妊娠・出産を経験して大変だったこと、亡くなった後の心のざわつきなどが、ランダムに語られる。この時間軸が一直線でない感じがリアルでせつない。

大切な人を亡くしたあと、悲しみはすぐにやってくるわけではない。もう大丈夫かな、と思っていても、ふいに何らかの拍子に、亡き人のことを思い出し、もう会えないのかと思って、胸がぞわぞわとする。急に足元がふらつくような感覚に襲われる。

誰もが味わうが、なかなか言語化できないあの感覚が、作品の中に封じ込められている。

12月11日(火)
先週に引き続き『鶴見俊輔伝』刊行記念イベントで、新宿紀伊國屋書店本店へ。著者の黒川創さんと政治学者・片山杜秀さんの公開対談を聞く。

片山さん、お目にかかるのははじめてだったのだが、テレビやラジオでの印象どおりに常にエネルギッシュな方で、今年はじめて会った人で一番のインパクトを受けた。

この日も、 NHKでラジオで「クラシックの迷宮」を2本録り、年末の音楽回顧番組の打ち合わせをしてから来たそうだ。「クラシックの迷宮」はテーマ、選曲、放送台本まですべて自分でやるとのこと。

片山さんのなかでは、音楽系の仕事と、『未完のファシズム』や『見果てぬ日本』のような思想・歴史系の仕事が両立している。10年前に見えた2つの根っこがともに成長して幹になっている。こういう書き手は珍しいのではないだろうか。

12月12日(水)
今週は所属している2つの部署の忘年会の週である。

本日は「新潮」編集部の忘年会で、池袋のディープそうな上海料理店「大ウ邨」へ。文字化けのような店名で、一見なんと読むのかわからないが、「だうつん」が正解だそうで、本来使いたい漢字が日本にはないのでその部分を「ウ」で代用しているらしい。

ロサ会館のすぐ近く、昔からある肉どうふともつ焼きの名店「千登利」の入ったビルの3階にある。我々以外は、客もお店の人もみんな上海出身者なのか、中国語が飛び交っていた。隣の席は上海人の忘年会だろうか。

上海風骨付蒸し鶏、上海味噌味アヒル、海老の強火炒め、麩の煮物、香菜と押し豆腐の胡麻和え、上海風甘辛口漬物、田鰻の姿とニンニク土鍋煮込み、金ニラとアサリの塩炒め、揚げ臭豆腐、予約注文した上海ガニの蒸し物、石鍋金華ハム入り野菜ご飯、葱油ラーメン……。こうして並べるとすごい量だが、油の使い方がうまいのか、決してくどくない。

一人暮らしの長い独身の杉山くんが、家庭料理に飢えているのか、びっくりするくらい上海料理にはまっていた。

12月14日(金)
「考える人」編集部の忘年会は、夏に小山田浩子さんと行った、谷中の穴子寿司の名店「すし乃池」に(メールマガジン778号)。

江戸前の穴子の煮方にこだわった店で、再訪もひときわ美味しいと感じた。ふわふわとした穴子の食感が、やはりおいしい。

穴子寿司、穴きゅう巻き、穴子ちらし、穴子の肝煮、すじこの西京漬け、白子ポン酢、まぐろのぬたあえ、たこのふっくら煮、生牡蠣、白和えなどをつつきながら、みんなでエビスビールと日本酒。

いつものメンバーの進行Sさん、ウェブデザイナーSさん、一くん、三くんで、谷中のすし屋の個室で飲んでいるのは不思議な空気感だ。ゆったりとして、くつろぎ、時間が伸び縮みするような感覚になる。

三くんの入社したばかりのころのようなリラックスした笑顔を久々に見た。

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考える人とはとは

何かについて考え、それが「わかる」とはどういうことでしょうか。

「わかる」のが当然だった時代は終わり、平成も終わり、現在は「わからない」が当然な時代です。わからないことを前提として、自分なりの考え方を模索するしかありません。

わかるとは、いわば自分の外側にあるものを、自分の尺度に照らして新しく再構成していくこと。

“Plain living, high thinking”(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)*を編集理念に、Webメディア「考える人」は、わかりたい読者に向けて、知の楽しみにあふれたコンテンツをお届けします。

*産業革命後に急速な都市化が進むロンドンで、イギリスの詩人ワーズワースが書き遺した言葉。

 

 

「考える人」編集長 松村 正樹


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